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悪魔のはらわた
(原題:FRESH FOR FRANKENSTEIN)
1973年フランス・イタリア映画
 


アンディ・ウォーホールの名前がポール・モリセイ監督の名前よりも大きく出ていますが、これは単なる名前貸し。
二人が旧知の仲だった事から天才の名前が被せられたというだけみたいです。
 
ストーリーはフランケンシュタインものなのですが、アレンジの手法が大胆。
まずウド・キア演じるフランケンシュタイン男爵は、実の姉と婚姻関係にあって子供まで居ます。
そして趣味は死姦、内臓ファック(切り裂いた腹部に挿入…)というド変態。
夢は完全な男と完全な女の人造人間を生み出し、二人に完全な子供をたくさん生ませて世界征服(?)という壮大な夢をお持ちの方。
弟子のオットーと共に完璧な体を持つ人間を求め、人を殺しては優れたパーツを集めていきます。
女の人造人間は理想どおりに完成したのですが、男の方は勘違いによってゲイの首を繋げてしまった事から計画が狂っていきます。
男爵と弟子が死体を切り刻んでいる頃、男爵の姉でもあるフランケンシュタイン夫人は、森で拾った農夫を誘惑して間男にし、使用人として屋敷で働かせ始めます。
ところがこの間男、首を奪われたゲイの友人で、屋敷で再会した友人の変わり果てた姿を見て驚愕。
男爵の研究室に忍び込んで逃がそうとします。
しかしそこに男爵と弟子が現れ、間男も捕らわれてしまいます。。。
 
初めて見たときはアンディ・ウォーホールのアーティスティックなホラーだと思って見始めました。
ところが実際はとことん下品なエログロスプラッターで驚きました。
 
出てくる人間みんながスケベでおかしな性癖を持っています。
男爵が腹部を切った死体の中に突っ込んでアヘアヘした挙句、「胆嚢に生を与えた」などと戯言を言う姿を目をギラギラさせて眺める弟子。
弟子もそれ以来すっかり胆嚢マニアになり、女性を襲っては腹部を切り開いてお楽しみです。
夫人も間男も好き物で、男爵の目を盗んではヤリまくり。
 
グロの方はやたらと内臓が出まくります。
製作された1973年当時、ここまで内臓を見せまくる映画というのはかなり珍しかったのでは?
しかもこの作品、3D映画として公開された事もあり、内臓を観客へ向けて突き出すような演出が多い。
DVDは3Dではないので立体的には見えませんが、それでもなかなか気分が悪いですね。
 
製作年を考えると凝った特殊効果に目を見張ります。
特殊メイクは「地獄の謝肉祭」などの監督アントニオ・マルゲリッティ(別名アンソニー・M・ドーソン)。
この人、特殊効果マンとしてキューブリックの「2001年宇宙の旅」にも参加してます。色んな事やってますね。
ちなみに、海外の一部の資料では、「悪魔のはらわた」の本当の監督は彼だと書かれた物もあります。
どれが本当なのでしょうね。。。
そして特殊効果としてクレジットされているのはかのカルロ・ランバルディ!
「ET」「エイリアン」「キングコング(1976)」などを作り上げた巨匠です。
推測ですが、ゲイの首を巨大なハサミで切り落とす場面で、生首が苦しそうに顔を歪めて瞬きします。
おそらくこの辺りの見事な効果が御大の仕事ではないかと。。。
 
内臓だらけのスプラッター描写に加え、近親相姦、同性愛、死姦など、扱うテーマは倫理に反するものばかり。
でもそこまで徹底して観客に嫌悪感を抱かせるのが計算されたものだとしたら、これを映画界の汚点として片付けるにはもったいない。
黙って見ててもつまらなくないし、おいおい!と突っ込み入れながら見ればかなり笑えます!
異質のイタリアンスプラッターを是非お試しあれ。

【2013年4月追記】
Blu-rayが9月に発売されます!
高品質なエログロ映像、楽しみです♪

  

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プロメテウス
(原題:PROMETHEUS)
2012年アメリカ映画




リドリー・スコット監督が名作SFホラー「エイリアン」の前日譚として製作したのが「プロメテウス」。
「エイリアン」ファンとしてはリドリー・スコット監督が戻ってくる事で、路線変更を繰り返してよく分からなくなったシリーズを軌道修正し、本来の姿に戻ったプリクエルになると期待していいました。
ところが製作が進むにつれ入って来た事前情報は、企画当初よりも前日譚としての色合いが薄れて「エイリアン」から独立したオリジナルストーリーになったとの事。
それを聞いてがっくりしましたが、それでもファンとしては無視する事は出来ず、公開と同時に見に行ってきました。

ちなみに、このレビューを書いてる時点ではまだ劇場で公開中です。
ネタバレを大いに含むレビューとなりますので、これから見る方はご注意下さい。


まだ人間が存在していない太古の地球に、人間に良く似た一人の宇宙人が降り立つ。
自ら黒い液体を飲み干すと苦しみだし、体のDNAが破壊され始めた体は崩れ落ちて激流の川の中へと落ちていく。
川の中で粉々になった宇宙人の体は水の中でDNAが再編成され、地球の生物の源が形成されていく。。。

2080年代、地球上の各国の古代遺跡などから6つの点が描かれた壁画が見つかる。
これは古代の人間が存在を知るはずが無い、はるか遠くにある太陽系に良く似た惑星系を示すものである事が判明する。
そこで、壁画の謎を発見したエリザベスとチャーリーカップルの他、専門家、宇宙船のクルー、スポンサーのウェイランド社スタッフによる調査隊が編成される。
彼らは壁画に導かれるように宇宙船プロメテウス号で惑星LV226現地へと赴く。

LV226で一行は人工的な建造物を発見、調査に向かう。
まず遺跡の中で見つけたのは「エンジニア」と呼ばれる巨大な体の宇宙人(例のスペースジョッキー)の遺体。
調査に同行したウェイランド社のアンドロイドのデイヴィッドが遺跡の文字を解読、ホログラム映像の再生に成功し、逃げ惑うエンジニアの姿が映し出された。
その状況に恐れおののいた2人の科学者は先にプロメテウス号に戻るといって一行から離脱する。
そして奥へと進んだ一行が目にしたのは、人間の顔を模したような石造と、並べられた無数の筒状の物体。
その頃、外では猛烈な嵐が近付いてきたため、一行は遺体の頭部を、またデヴィッドは誰にも気付かれないよう筒状の物体を1つバッグに入れてプロメテウス号に持ち帰った。

(どうして知ったのかは明らかになっていないが…)プロメテウス号の船長によると、エンジニア達が生物兵器であるエイリアンを開発するための星がこのLV226ではないかという事だった。

プロメテウス号へ戻ると、先に戻ったはずの二人が帰っておらず、建造物の中で迷っている事が判明。
二人は嵐が過ぎるまで内部で過ごす事になってしまう。
筒状の物体が並んでいる部屋では、筒の上部から黒い液体が染み出すように流れ出し、地面を流れていた。
その液体は地面を這う小さな虫を蛇のような生物へと変化させ、二人の科学者に襲い掛かる。
手に巻きついたその生物を剥がそうとナイフで切断すると、酸性の体液が飛び散った。。。

プロメテウス号の中でデイヴィッドが筒を開けると、中には黒い液体が入っていた。
そしてその液体を一滴、チャーリーの飲み物へ混ぜて飲ませてしまう。
その夜、何も知らないチャーリーは、エリザベスと一夜を共にする。

翌朝、内部に取り残された二人と連絡がつかなくなったため、一行は再び建造物内部へと入る。
しかしそこでは一人の科学者の遺体を発見する。
もう一人はというと、酸を浴びて死んだはずだったのに、馬鹿力の怪物となってプロメテウス号の前に現れた。
クルーを次々と殴り殺していくが、最後は火炎放射器で焼き殺されて絶命する。(この辺りは「遊星からの物体X」のようです…)

建造物の中ではチャーリーの体に異変が起きていた。
眼球や肌が変色し、もがき苦しみだした。
一行は治療のため、チャーリーを連れてプロメテウスに引き返す事にする。

その頃デイヴィッドは、建造物内の一角でエンジニアの宇宙船のコックピットを見つけていた。
ホログラム映像を再生し、宇宙船の操作方法や、地球へ向けて飛び立つ予定だった事を知る。
そして、生命維持装置(?)の中で眠る、冬眠状態のエンジニアを発見するのだった。

プロメテウスまで戻ってきた一行だったが、チャーリーの症状は悪化し、火炎放射器で焼き殺されてしまう。
失意のエリザベスに、デヴィッドは人間ではない何かを妊娠している事を告げる。
しかも行為は昨夜なのに既に3ヶ月目程度まで育っているという。
エリザベスは自動手術マシーン(?)に入り込み、腹部を切開し、中からイカのような生物を取り出す事に成功する。

取り出した生物を閉じ込め、近くの部屋に逃げ込むと、死んだと言われていたウェイランド社長が居た。
自らの死期が近いと悟った社長は、人類の創造者であるエンジニアに会って延命を頼むという。

再度建造物の中に入り、エンジニアを目覚めさせるが、エンジニアは社長を撲殺。
デヴィッドも首をもぎ取られてしまう。
エリザベスは必死に建造物から逃げようとするが、エンジニアはコックピットに座り、宇宙船を発進させようとする。
行き先は地球。
人間を滅ぼすために黒い液体をばら撒きに行くというのだ。
エンジニアの意図を知ったエリザベスは、宇宙船を地球へ行かせてはならないとプロメテウスに伝える。
それを聞いたプロメテウスのクルーは宇宙船めがけてプロメテウスを発進させ、自爆を代償に宇宙船を墜落させる事に成功する。

惑星上に一人取り残されたエリザベスは、酸素を補給しに、プロメテウスの残骸へと向かう。
しかしそこにエンジニアが現れエリザベスを襲う。
エリザベスがドアを開けると、そこには自らが産み落としたイカ生物が巨大化して潜んでおり、エンジニアに襲い掛かった。
その隙に船外へと逃げ出すエリザベス。
エンジニアはイカ生物の触手を口に突っ込まれて絶命する。

途方に暮れるエリザベスに、首だけとなったデイヴィッドから連絡が入る。
この星にはもう一機、エンジニアの宇宙船が隠されているという。
自分を助けてくれればこの星から脱出することが可能だと言われ、デイヴィッドを救出に向かう。
しかしエリザベスは地球へ帰ることが目的ではなかった。
エンジニアが住む本当の惑星に向かうよう、デイヴィッドに指示するのだった。

誰もいなくなったLV226ではイカ生物に殺されたエンジニアの腹が蠢いた。
次の瞬間、エンジニアの腹を突き破ってエイリアンの成虫が誕生したのだった。。。


ストーリーの概略はこんな感じですね。

CMでは「人類の起源」と謳っていましたが、それは導入部分だけで、結局は「エイリアンの起源」と「スペースジョッキーの正体」を捜し求めるお話でした。
思ってた以上に「エイリアン」の要素が生きていたので「エイリアン」好きには堪りませんでした。

エンジニア=スペースジョッキーの素顔にはびっくりしました。
像の鼻のような顔をしていましたが、あれはなんとマスクだったんです。
そのマスクを外すと、中には人間そっくりの顔が現れます。
何となくそんな気はしてましたが、1979年に見た「エイリアン」からずっと思い込んできた顔がお面だったというのはそれでも衝撃的でした。

あと今回は今までのエイリアンとはデザインがかなり違います。
まず大きく分けて2種類。
筒よりあふれ出した黒い液体から生まれた子と、エリザベスの胎児として生まれた子。
黒い液体の方は触手の無いヌメヌメしたフェイスハガーですが、こいつが成体となった後の姿は出てきませんでした。
エリザベスから生まれた方は最初はイカみたいなんですが、巨大化して足を開くと超大型フェイスハガーへと早変わり。
どちらも「エイリアン」のフェイスハガーとはデザインが大きく異なります。

またエンジニアから生まれるのはチェストバスターではなく、いきなりエイリアンの成虫が生まれます。
このエイリアンもH・R・ギーガーの物ではなく、ヌメヌメして凹凸の少ないデザイン。
口の中に仕込まれた顎も備えてるのですが、顎の迫り出し方が異なります。

これら旧作品とデザインが異なるのは、エイリアンが進化の途中だから?
それとも今風にリデザインされたのでしょうか?
その辺ははっきりさせず有耶無耶のまま終わります。

他にもイマイチすっきりしない部分が多い。
例えば黒い液体の正体とか、円筒の正体とか。
最初から続編の製作も考えられていたようですので、次の作品で明らかになるのでしょうか。
とりあえず、これにはあえて突っ込まずに今は流しておいた方が良いのかもしれませんね。

ところで、先日残念なことにリドリー・スコットの弟さんで、「プロメテウス」の共同プロデューサーでもあり映画監督のトニー・スコットが自殺して亡くなってしまいました。
リドリー・スコットはイギリスで製作に取り掛かっていた次回作の撮影を中止して、アメリカの家に帰ってしまったとか。
次の作品は「プロメテウス」の続編ではなかったようですが、続きが見れるのはいつになるのでしょう。。。


エイリアン2
(原題:ALIENS)
1986年アメリカ映画



世界中で高評価と高収益を得た「エイリアン」の続編は、低予算SFアクション「ターミネーター」を大成功させた若手監督ジェームズ・キャメロンに託されました。
ジェームズ・キャメロンはリドリー・スコットが敷いたレールをあえて外れ、独自の世界観にエイリアンシリーズを導きました。
複数形になったタイトル、キャッチコピー「This Time It's War(今度は戦争だ!)」が示すように、今回はとてつもない数のエイリアンが襲い掛かってきます。
 
前作の最後でエイリアンを倒した後、救命艇で冷凍睡眠に入ったまま地球を目指したリプリー。
しかし救命艇は地球を通り過ぎ、57年間も宇宙を彷徨った末にようやく救助される。
運良く救助されて地球へ戻ったリプリーだったが、自分の家族や知人は皆この世を去った後だった。
また、エイリアンとの激闘の末、爆破したノストロモ号に関する責任を問われるが、誰もエイリアンの話など信じてくれない。
しかも、リプリーたちがエイリアンと遭遇したあの惑星LV426は、現在は宇宙植民地として大勢の家族が移住して平和に暮らしているという。
また移住にあたって惑星を調査したが何も発見されなかったというのだ。
こうしてノストロモ号爆破の責任を負わされ宇宙航海士の資格を取り上げられたリプリーは、倉庫での仕事を得る。
しかし毎日あの時の体験が悪夢として甦り、リプリーを苦しめるのだった。
そんな時、LV426の移住者たちとの通信が途絶えてしまう。
LV426を知る唯一の人間として、リプリーは宇宙海兵隊と共に救助へ向かうことになる。
しかしそこには、以前経験したよりも遥かに強大な敵が待ち構えていた。。。
 
前作でも卵が並んでいる場面はありましたが、何があの卵を産んだか?は明らかにされませんでした。
それが今回は明らかになります。
女王蜂のように、兵士エイリアン(ウォリアー)をコントロールするエイリアンクイーンが登場します!
このNEWキャラ、エイリアンクイーンが卵を産んでいたのです。
今回は植民地の人間たちをホストにして誕生したたくさんのウォリアーが登場します。
クイーンの登場により、前作で1体倒すのに四苦八苦したウォリアーがペーペーのその他大勢に格下げです…。
対する人間側も強力な火力を誇る宇宙海兵隊なので、ウォリアーはすっかりやられ役。
でも前作同様の賢さと、前作以上の素早さも兼ね備えているので、奇襲攻撃などで人間を苦しめます。
 
そして「エイリアン2」で重要な役割を担うのが、植民地の住民の唯一の生き残りであるニュートという少女。
家族を目の前で殺され、独りぼっちだったニュートに母性を刺激されまくったリプリー。
しかし惑星を脱出直前、ニュートがさらわれた事で怒り爆発。
生き残った海兵隊は怪我人のみのため、自ら銃や火炎放射器などフル武装でエイリアンの巣へと突撃します。
無事ニュートを救出するも、そこでついに対面するのがエイリアンクイーン。
「ニュートを連れ去りやがって、こんにゃろ」とばかりに卵にグレネードランチャーを打ち込みます。
ここから母性VS母性の壮絶なバトルがスタート。
 
最初から最後までハイテンションで畳み掛けるのはいかにもジェームズ・キャメロン!
登場人物たちをそこまで追い込まんでも…と憐れみすら覚えてしまうほど窮地に追い込みます。
 
前作でアンドロイドに痛い目を見せられたリプリー、同行したアンドロイド、ビショップをやたらと毛嫌いしています。
それが最終的にヒューマンな感動を与えてくれる辺りが個人的に好きな部分です。
 
エイリアンウォリアーは前作のデザインを踏襲しつつ、ややゴツゴツした造形に変化しています。
エイリアンを作り上げたのは「ターミネーター」でもジェームズ・キャメロンと組んでいたスタン・ウィンストン。
第二班監督も努めるなど、深く携わっています。
その他特殊効果で有名どころはダグ・ベズウィック、ブライアン・ジョンソンなど。
そしてコンセプトアーティストにシド・ミード、コンセプトデザイナーとしてロン・コッブも参加。
だからメカニカルデザインも格好いいですよ~。
 
主要な出演者はシガーニー・ウィーバー以外はジェームズ・キャメロン組の俳優さんが多数。
マイケル・ビーン、ランス・ヘンリクセン、ビル・パクストン、ジャネット・ゴールドスタイン(バスケス=T2の継母=タイタニックと共に沈んでいく母親)など。
 
劇場公開版も文句なしに面白かったですが、後年発表されたディレクターズカットもお勧めです。
映画会社の都合でジェームズ・キャメロンが泣く泣く削除したというシーンが追加されています。
冒頭、ようやく地球に帰ったリプリーが、自分の娘が老衰で先に亡くなっていたという事実を知る場面。
これはあった方が物語りに深みが出るし、ニュートを守るために戦うリプリーの精神状態を理解する上でも重要なシーンだと思います。
また移民が例の宇宙船を見つけるシーンは、前作からのファンには嬉しいですね。
 
じっくりと恐怖を描いた1作目に対し、戦争アクションになった2作目。
SFホラーの要素は薄れてしまいましたが娯楽度は大幅にアップ。
正攻法を避けて数とアクションで前作と違う形に昇華させたジェームズ・キャメロンは賢いですね。
職人監督リドリー・スコットとも、傑作SFホラーである前作とも比較されるリスクは避けられたし。
(あ、決して前作より劣っているという訳じゃないですよ!)




エイリアン
(原題:ALIEN)
1979年アメリカ映画
 


貨物運搬宇宙船ノストロモ号は地球へ向けて宇宙を航行していた。
近くの惑星から発信される電波を受信し、会社の命令で調査へと向かう事になる。
到着した惑星で発信源へと向かうクルーたちが目にしたのは、大昔に放置されたと思われる巨大な異性人の宇宙船だった。
宇宙船の砲座には、胸に穴が開いて息絶えた異性人の遺体が、化石化した状態で横たわっている。
そして砲座のすぐ横には穴が開いており、そこからクルーのケイン(「エレファントマン」のジョン・ハート)が船内へと入っていくと無数の卵らしき物体が並んでいた。
その中の一つを覗き込んだとき、卵から飛び出した何かがケインの顔に飛びついた!
顔に異物を付けたまま意識を失ったケインはノストロモ号に運び込まれるが…
 
以上が導入部分です。
SFホラーの金字塔ですから見た事がある人も多いと思われますが、ストーリー紹介は一応ここまでで止めておきます。
 
監督リドリー・スコットの暗黒の美学が炸裂した映像が圧巻です。
悪趣味と美をギリギリのラインで融合させたエイリアンや宇宙船のデザインはスイスの画家H・R・ギーガー。
性器などをモチーフとした独特のデザインは有機質と無機質を組み合わせた独自の世界観を構築。
機械である宇宙船を有機的に、生物であるエイリアンを無機的にデザインしたのは何ともお見事です。不気味で仕方が無い。
エイリアンの造形は後のシリーズに登場するものよりもヌメヌメしており、デザインはこの一作目が一番だと思います。
長い頭をゆっくりもたげるシーンなんてゾクゾクします。
このエイリアンヘッドを作り上げたのは、モンスタースーツ(着ぐるみ)の第一人者カルロ・ランバルディ。
ギーガーのデザインを再現した「シャーーーーー!カプッ!」というあの口を作ったのもこの人。
あの口のアップと唇をめくり上げるエイリアンの表情は夢に出てきそう。
成体以外の形態でもインパクトは絶大で、フェイスハガーが顔に張り付いた姿や、胸を突き破って出てくるチェストバスターも印象は強烈です。
 
メカニカルなコンセプトデザインを担当したのはロン・コッブ。
ジョン・カーペンターの「ダークスター」の宇宙船、「スターウォーズ」のカンティーナのエイリアン、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のタイムマシン化されたデロリアンなどをデザインした人です。
 
脚本はこちらもジョン・カーペンターの学友でもあったダン・オバノン。
「ゾンゲリア」の脚本や「バタリアン」の監督、脚本家としても有名ですね。
 
「エイリアン」シリーズ、「エイリアン2」は銃火器だらけのSF戦闘アクション、「エイリアン3」は刑務所惑星という閉鎖空間で武器も無しに戦うという迷走作品、「エイリアン4」は大人向けダークファンタジー風味と、作品ごとに色が全く違うのが特徴。
でもやはりシリーズ中最高傑作と言えるのはこの1作目だと思います。
「エイリアン2」のように無数のエイリアンが出てくる訳ではなく、たった1匹のエイリアンと戦うのですが、じっくりと戦いを描いたおかげでその恐怖感といったら大変なものです。
SFホラーの最高傑作は間違いなくこの「エイリアン」1作目でしょう。
異性人の中でもこいつが最強!と痛感させられます。
 
現在は「エイリアン・ディレクターズカット」というバージョンも存在しています。
意識して見比べて見ると細かいシーンが増えたり減ったりしてるのですが、最も大きな変更点が、トム・スケリット演じるダラス船長とハリー・ディーン・スタントンがエイリアンに捕らえられ、壁に貼り付けられているシーン。
「エイリアン2」でも同様のシーンがあり、卵の中のフェイスハガーに襲わせ、幼虫(チェストバスター)のホストとされるという設定でした。
ところがこの1作目の舞台はノストロモ号船内であり、卵も無い、フェイスハガーもいない、エイリアンクイーンも居ない状況。
この状況で船員を捕らえるのにはどういう意味があったのでしょうね???
単なる習性なんでしょうか?意味の無いことに手間を掛けるような頭の悪い生物には見えないんですがね。。。
とうことで、個人的には劇場公開版の方がすっきりと見終われるのでお勧めです。
ちなみにDVDで「ディレクターズカット」を所有していますが、これに「劇場公開版」も収録されています。
これならDVDでも充分!と思わせる高画質も素晴らしいです。




モールス
(原題:LET ME IN)
2010年アメリカ映画


2008年のスウェーデン映画「ぼくのエリ 200歳の少女」のハリウッドリメイク版がこの「モールス(2010年)」です。
監督は「クローバー・フィールド」のマット・リーブス。
監督の言葉を聞くと、正確にはリメイクというよりも別監督による別解釈版とでも言った方が良いようですが、ここでは差別化のためにあえてリメイク版と呼ばせてもらいます。
 
まず、個人的に2008年のオリジナル版は非常に好きな作品です。
いじめられっ子なうえに両親は離婚して母子家庭の孤独な少年オスカーと、ヴァンパイアとして永遠に孤独に生き続けなければならない少女(…)エリとの純愛映画でした。
スウェーデンの子役なので全く馴染みはありませんが、二人の自然な演技が素晴らしかった。
そしてトーマス・アルフレッドソン監督の沈黙を上手に使った演出は、しんしんと降り積もる雪の音や、雪を踏みしめる足音が聞こえてきそうな寒々しい空気感と寂しさを助長していました。
またホイテ・ヴァン・ホイテマによる映像も時にアーティスティックなほどに美しくて惹きつけられました。
 
このように大好きな作品のリメイクという事で過大な期待はせず中立を保つように注意しつつ鑑賞しました。
 
全体的な印象はオリジナル版「ぼくのエリ 200歳の少女」を忠実に再現したリメイクです。
ただ、オスカーはオーウェンに、エリはアビーへと名前が改められました。
 
少年オーウェンの住むアパートの隣の部屋に越してきた謎の少女。
雪が降り積もった夜の公園にオーウェンが一人佇んでいた時、その少女、アビーが現れた。
しかし、オーウェンの気持ちを見透かしたように、「友達にはなれない」と言い残して離れてゆく。
アビーは俗世間と隔絶されて生き続けるヴァンパイアだった。
だが二人は夜の公園で何度か会ううちに友情を深めていった。
アビーは親子ほどに歳の離れた男と暮らしている。
男はアビーのために殺人を犯し、血液を集めていたが、ミスを犯して追い詰められてしまう。
アビーに危険が及ばぬよう、自らの身元を隠すために隠し持っていた硫酸を自ら顔に浴びて病院に入院する。
男は病院に忍び込んできたアビーに自分の血を与え、絶命する。
独りぼっちになったアビーはオーウェンに寄り添い、二人の間に芽生えた友情は愛情へと変わっていった。
ところが、ある事件をきっかけに、オーウェンはアビーがヴァンパイアである事に気付いてしまう。
一旦は恐れて距離を置くオーウェンだったが、全てを受け入れてアビーを抱きしめた。
ある日、オーウェンはいじめられっ子に囲まれたが、アビーに「殴り返せばいじめられなくなる」と言われた事を思い出し、いじめられっ子を殴って怪我を負わせてしまう。
いじめっ子を撃退したことを喜ぶオーウェンだったが、これがきっかけで後に大変な事態へと発展していく。。。
 
絵の作り方などはかなり似通っているのでマット・リーブス監督は相当オリジナル版を意識していたのではないでしょうか。
時間軸を前後させたり、崖から転げ落ちる車の車内にカメラを据えて観客に事故を追体験させるような試みは新しいですが、大きく内容を変更した印象はありません。
オリジナルを見た人にとっては目新しさは無い分、ある意味安心して見れます。
 
主演は、オーウェンにコディ・スミット・マクフィー、アビーにクロエ・グレース・モレッツ。
コディ君は、滅亡した地球をヴィゴ・モーテンセン演じる父親と共に、人食い集団と戦いながら旅する「ザ・ロード」で評価された少年。
クロエちゃんはティーンのアイドルとして大活躍中。リメイク版「キャリー」に主演するようですね。
二人とも芸達者な子役ですので演技はばっちりです。
でも基本的に顔つきがかわいらしいクロエちゃんからはヴァンパイアらしい影は余り感じられず、オリジナルのエリのような悲壮感が無かったのが残念。
かわいいクロエちゃんが見られるのは嬉しいですが、この作品にはちょっとミスキャストだったかも。
 
この映画、オリジナル版を見ているか否かで評価が変わってくると思います。
「モールス」単体で見れば充分に楽しめます。
ところが、「ぼくのエリ 200歳の少女」を先に見ちゃっていると物凄く物足りない。
忠実なリメイクだと前述しましたが、このリメイク版には重要なものが欠けてるんです。沈黙の間(ま)です。
会話のキャッチボールがテンポ良く行われているのが猛烈に違和感を生み出しているんです。
最近のハリウッド映画は何でもトンッ・トンッ・トンッとリズミカルに物語が進んでいきます。
でもこの作品ではそれをやって欲しくなかった。
オリジナル版と見比べるとえらく忙しない印象なんです。
 
テンポを良くするために省かれたと思われる、近所のおっさんたちのエピソードも残念。
噛まれてヴァンパイアと化す女性の哀れさも激減です。
 
あと「モールス」最大の過ちは、アビーの正体をあやふやにした事。
劇中、本人に何度も言わせていますが、あのシーンはどうにかして入れて欲しかった。
「ぼくのエリ 200歳の少女」の日本版DVDでボカシが入れられてファンの大ブーイングが巻き起こったあのシーンです。
あれが無いとこの映画の持つ純粋さが半減してしまうのですよ。
台詞にするだけじゃなくてもっとはっきりと表現して欲しかった。。。
 
という事で、「モールス」のみを評価すると80点。
でも「ぼくのエリ 200歳の少女」と見比べると30点。
これからどっちを見ようか迷ってるなら「ぼくのエリ 200歳の少女」だけで充分です。
両方とも見るなら先に「モールス」を見ておいた方がいいかもしれない。
「モールス」は「ぼくのエリ 200歳の少女」のダイジェスト版という印象なので。。。
 

呪いのフェイスブック
(原題:SATAN FACEBOOK)
2010年インドネシア映画



Facebook中毒の女の子が悪霊に祟られる話だと聞いたので、最近中毒気味の自分に対する戒めの意味で見てみました。
 
初のインドネシア映画でしたが、耳から入ってくる言語への違和感は思ったほどありませんでした。
ただ、Facebookへ書き込んでいる文字を映す場面はちんぷんかんぷん。
まあ重要な所は字幕がフォローしてくれるので問題はありませんでしたが。
 
Facebook中毒の女子大生ファラちゃんが主人公。
学校で馬が合わない友人と喧嘩した夜、その友人が自宅でFacebookを見ているとミラという見知らぬ女の子から友達申請が届く。
友達承認後、ミラとチャットでやり取りしていると、ミラがまるで自分の行動を近くで見ているかのような事を書き始めた。
怯えながら振り返るとそこには恐ろしい形相の女の霊が!霊に突き飛ばされ、パソコンのケーブルに絡まった彼女は感電して命を落とす。
仲直りせずに殺されてしまった友人の事で胸を痛めるファラの周りでは、その後も不可解な事故や事件が続く。
男友達がミラに襲われ大怪我を負い、学校の教授が風呂で溺死、親友のチチは農具が腹部に突き刺さり死亡。
ファラは、ミラの自宅を突き止めて訪ねると、そこには衰弱した老婆が独りで暮らしていた。
老婆はミラの祖母で、結婚直前で破談 になった事を嘆き、ミラは自ら命を絶ったという事を知らされる。
ミラは、ファラが以前Facebookに書き込んだ心無いイタズラが原因で自殺したのだった。
老婆に真実を伝えると、それまで嘆きの表情を浮かべていた老婆の顔は怒りの形相に変わり、ファラに襲いかかってきた。
老婆もミラを亡くした後にその家で孤独死した幽霊だったのだ。
霊を慰めるために埋葬し、一件落着したかと思われたが、再びファラの前にミラが姿を現す。。。
 
ファラと生前のミラに接点があったというのは些か唐突な展開でした。
そしてミラがファラをどう思っているのかも分かりにくかったです。
恨んでいるのなら何故執拗に襲わなかったのか。
ファラのイタズラに気づいていないのなら何故ファラの周囲に出現したのか。
もう少し説明があっても良かったかもしれません。
また映像は独特な黒が強い色調のため、暗いシーンでは登場人物の表情などが見づらい所が少々がありました。
ただその漆黒の中から青白い悪霊が飛び出してくるあたりはなかなかの迫力です!
 
話の展開は近年の日本製ホラー映画の影響を強く感じます。
「着信アリ」の携帯電話の役目がこの作品ではノートパソコン+Facebookになっているようなイメージです。
日本人にとって目新しさはありませんが、とても馴染み深い作りなので誰にでも見やすいのではないでしょうか。
 
ゴアシーンは控えめ…というかほぼありません。
幽霊の特殊メイクはそれなりに凝っていて、末期のリーガン(リンダ・ブレア)を思い出させるものでした。
グロやゴアに頼らず、小道具や強い怨念によって恐怖を演出しているあたりも日本のホラー映画のようです。
死ぬほど怖いという訳ではありませんがFacebookをやってる人ならそれなりに楽しめると思います。
 
Facebook+ホラーなんていかにもアメリカがリメイクしたがりそうなネタですけどやらないのかな?


イベント・ホライゾン
(原題:EVENT HORIZON)
1997年アメリカ映画



珍しい宇宙を舞台にしたオカルト映画の佳作です。
監督は後に「バイオハザード」などでヒットメーカーの仲間入りを果たすポール・W・S・アンダーソン。
 
宇宙を航行中に消息を絶ったイベント・ホライゾン号が、その7年後に突如海王星付近に現れた。
ローレンス・フィッシュバーン演じる隊長をはじめとする救助隊が組織され、イベント・ホライゾンを設計したウェアー博士(サム・ニール)と共に救助へ向かう。
船内からは生体反応がなく、乗り込むと船員たちの無残な死体が転がり、何か異常な状況が発生した事が伺えた。
しかし船には大きな損傷もなく、ウェアー博士が設計したコアと呼ばれる装置も稼動していた。
コアは人工的にブラックホールを作り出し、その中を通過する事で地点間移動=ワープを可能とする装置である。
船の中でウェアー博士は死んだ妻の幻影に悩まされるようになる。
また不可解な事件が次々と発生して救助隊員たちが犠牲になっていく。
隊員たちがイベント・ ホライゾンから逃げ出そうとした時、何かに取り憑かれたウェアー博士は救助船に爆薬を設置。
そしてイベント・ホライゾンについて衝撃の事実を明かす。
7年前の航海中にワープを試みたところ、時空の狭間から地獄へと入り込んでしまった。
そこでイベント・ホライゾン自体が生命を得て、魂を集めるために舞い戻って来たのだと言う。
そして、イベント・ホライゾン(=悪魔)の手先となったウェアー博士は恐ろしい姿に変身し、隊長達に襲いかかる!
 
ネットを見ていると賛否両論なのがこの作品。
まあどこかで見たことがあるような設定やシーンも確かにあるし、盛り上がりきらない部分があるのも事実。
でも 地獄で命を得た宇宙船の中で展開するオカルト映画なんて堪らないです!
しかも周りには何もない(空気すらない)宇宙の果て。
こんな絶望的な状況、ホラー映画マニアとしては最高のシチュエーションではありませんか!
合間合間に挟まれるおぞましい映像は地獄をイメージさせるに十分な残酷さ。
最後のサム・ニールの姿も夢に出そうです。
 
まだまだ当時は駆け出し監督だったポール・W・S・アンダーソンの作品なのに、出演者は信じられないくらい豪華。
「ジュラシックパーク」のサム・ニール、「マトリックス」シリーズのローレンス・フィッシュバーン、「パトリオット」のジョエリー・リチャードソン、「トワイライトゾーン」「ヒルズ・ハブ・アイズ」のキャスリーン・クインラン、「ハリーポッター」シリーズのジェイソン・アイザックスなど。
 
最近じゃ忙しないアクションが売りのポール・W・S・アンダーソン監督ですが、「イベント・ホライゾン」は雰囲気のあるオカルト映画ですので、ホラー映画ファンの方は是非お試しください♪



ローズマリーの赤ちゃん
(原題:ROSEMARY'S BABY)
1968年アメリカ映画



若い夫婦ガイとローズマリーがニューヨークのアパートへ引っ越してくる。
隣人は異常なまでに親切な老夫婦である。
ローズマリーとガイは赤ちゃんの妊娠を待ち望んでいた。
ある夜、老夫婦からもらったデザートを食べたローズマリーは気分が悪くなり寝込んでしまった。
その夜、悪魔に犯される悪夢を見る。
そしてし ばらくすると妊娠した事が発覚する。
子供はガイとの子供なのか?それとも…。
その頃から住人たちの親切さがエスカレート。
住民たちの異常さに気付いたローズマリーはガイに相談するもまともに取り合ってくれない。
徐々に衰弱してゆくローズマリーを心配した友人は調査してくれたが、突然の病気で亡くなってしまう。
しかしその友人が残してくれた悪魔に関する書物を読むうちに、アパートの住人が悪魔崇拝者である事に気付く。
臨月を迎えたローズマリーは赤ちゃんを産むが、周囲からは死産だったと聞かされる。
しかし、アパートのどこかから赤ちゃんの泣き声が聞こえる事に気付いたローズマリーは、その声の元へ向かう。
そこには。。。
 
奇才ロマン・ポランスキー監督の名作ホラー。
登場人物みんなが胡散臭くて誰を信じればいいか分からないというローズマリーの孤独感が痛いくらいに伝わってきます。
見るからに幸薄そうなミア・ファローが本当にかわいそう。
昔見た時は気づかなかったけど、最近見直したら旦那役がジョン・カサベテスだという事に気付きました。
この人もインディーズ映画界の天才監督ですね。
 
しかしポランスキー監督の波乱の人生はすごいですね。
奥さんの女優シャロン・テートとお腹の赤ちゃんをチャールズ・マンソン一味に惨殺され、
その後子供への淫行容疑で有罪になりアメリカから逃亡。
世界中を転々としながら「戦場のピアニスト」でアカデミー賞を取ったりと、完全に普通じゃない人生です。


エミリー・ローズ
(原題:THE EXORCISM OF EMILY ROSE)
2005年アメリカ映画



実話ベースという触れ込みのオカルト映画です。
タイトルにもなっているエミリー・ローズという少女に悪魔が取り付くのですが、既に亡くなっており、彼女の死に関する裁判の中で真実が明かされていくというストーリー。
 
この作品、エミリー・ローズ役のジェニファー・カーペンターで持ってるような映画です。
まだ若いのに凄まじい迫力の演技を見せてくれます。
映画の内容が内容だけに、「エクソシスト」のリンダ・ブレアと重ね合わせて見てしまいますが、なかなかいい勝負じゃないでしょうか。
 
回想シーンの最後は例の如く悪魔祓いになるわけですが、その中で衝撃的な事実が明かされていきます。
キーワードは「1・2・3・4・5・6…」です。。。
 
信心深い少女に悪魔が憑くというのは、きっとクリスチャンの方々には衝撃的なんでしょうね。
ゴアシーンや直接的な悪魔の描写はありませんが、エミリー・ローズが見る幻覚が不気味過ぎ。夢に出そうです。。。
 
(ちなみにベースとなった実際の事件はwikiに載ってます。)


ペットセメタリー
(原題: PET SEMATARY)
1989年アメリカ映画

 
スティーブン・キングの小説を、女流監督メアリー・ランバートが撮った非常に悲しいホラー。
脚本はキング自身が担当。
 
新しい家に引っ越してきた夫婦と幼い娘と息子。
越してきてすぐ、家の前の道路を往来する大型トラックに飼い猫がはねられて死んでしまう。
自宅のそばで見つけたペット専用墓地に飼い猫を埋葬すると、しばらくして生き返り家に戻ってきた。
しかし凶暴な性格となり、以前とは様子が違うことに気付く父親。
そして数日後、今度は幼い息子ゲイジがトラックにはねられてこの世を去ってしまう。
悲嘆する父親は、息子の遺体をペットの墓地に埋葬する。
しかしそれがさらなる悲劇を呼ぶことになる。。。
 
ゲイジ、かわいすぎるし、かわいそうすぎる。パパが埋めちゃう気持ちもよく分かります。
たとえ昔のゲイジと違うと分かっていても、あんなわかいい子に抵抗できないわ。
映画史上最もかわいい殺人者ですね。
 
「ペットセメタリー」の上手いところは、恐怖と悲しみを上手く融合させている点。
この繊細さは女流監督だからこそなんでしょうか。
救いが無さ過ぎて見るたびに凹みますねぇ。
でもまた見ちゃうんですが。


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自己紹介:
アメ車が3度のメシより大好物!カマロ、ダットラ、タホ、キャバリエと乗り継いで、今はマスタングに乗っています♪アメ車好きになったのは、幼い頃、映画の中で走り回る姿に憧れて。乗ると映画の主人公気分が味わえるアメ車は、映画ファンの方に超おすすめのクルマですっ!
ちなみにこのサイトは、ホームページ「BOTIE MANIA~アメ車に乗ろう!!」の映画紹介コーナーをブログ化したものです。
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