忍者ブログ
お気に入りの映画を紹介。好きな作品を見つけてもらえたら嬉しいです♪
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


私の中のあなた
(原題:MY SISTER'S KEEPER)
2009年アメリカ映画




白血病で苦しむ姉ケイトに血液、骨髄などを移植するため、遺伝子操作で生まれてきた妹アナ。
姉を救うために幼い頃から辛い移植手術にも耐えてきた。
しかし姉の病状が悪化、腎臓の機能が弱まり、両親から腎臓を姉に提供するよう言われたアナはそれを拒否。
僅かな小遣いを握り締め、やり手の弁護士アレクザンダーに両親を訴えるよう依頼する。
実の娘に訴えられた両親だったが、元々弁護士だった母サラは自らの弁護を担当。
法廷で娘と対決する事になってしまう。

自分の体は自分で守る。私はお姉ちゃんのスペアパーツじゃない!と言うアナでしたが、両親を訴えた本当の理由は物語の最後に明かされます。

主役のアナは、10歳のときに「リトル・ミス・サンシャイン」でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた演技派少女アビゲイル・ブレスリン。
やはりとても芸達者で、少女の心の揺れ動きを絶妙に表現しています。
アナよりも姉ケイトを優先する母親はキャメロン・ディアス、家族を静かに見守る父親はジェイソン・パトリック。
このスターたちに負けずに強烈な印象を残しているのが姉ケイトを演じるソフィア・ヴァジリーヴァ。テレビなどで活躍している女優さんのようです。

監督は、インディーズ映画の父ジョン・カサヴェテス監督と大女優ジーナ・ローランズの息子、ニック・カサヴェテス。
いい加減この説明の仕方は失礼かな?「シーズ・ゾー・ラブリー」「きみに読む物語」の監督さんであり、「処刑ライダー」や「フェイス・オフ」などでは俳優としても活躍している人です。
監督と俳優、二足のわらじを履いてるのはお父さんと一緒ですね。

複雑な状況に追い込まれた家族と少女の葛藤を繊細に描いたこの作品。
重々しいテーマでありながら、所々にユーモアを交えて暗くしていないのが上手い。
ただ、キャメロン・ディアスの嫌な母親像はちょっとデフォルメされ過ぎててやや浮いている感じもありましたが。

もしも自分の子供が瀕死の状態の時、その妹に体の一部を譲ってやれ、なんて言えるのだろうか?
子を持つ親としては考えさせられる映画でした。

 
PR

メランコリア
(原題:MELANCHOLIA)
2011年デンマーク映画



「ダンサー・イン・ザ・ダーク」以来、ずっと苦手で避けてたラース・フォン・トリアー監督ですが、先日見た「アンチクライスト」ですっかりその世界観の虜になってしまいました。
「アンチクライスト」の次に撮ったのがこの「メランコリア」です。

簡単に説明するなら、惑星衝突により人類絶滅寸前の地球で暮らす鬱病のおねーちゃんを描いた作品。…と書くと、何じゃそりゃ。って感じですね。
主人公ジャスティンは「スパイダーマン」シリーズのメリー・ジェーンを演じてたキルステン・ダンスト。
姉のクレアは「アンチクライスト」に続いてのトリアー監督作品出演となるシャルロット・ゲンズブール。
クレアの旦那のジョン役は、「ミラーズ」「ロストボーイズ」「スタンド・バイ・ミー」の…というよりも「24」のジャック・バウアーと言った方が分かりやすいキーファー・サザーランド。
脇役も豪華で、「愛の嵐」のシャーロット・ランプリング、「エレファント・マン」「エイリアン」のジョン・ハート、「悪魔のはらわた」「サスペリア」の他にトリアー監督作品の常連でもあるウド・キアーなど。

プロローグは美しく幻想的なスローモーション映像で圧倒されます。
空から降り注ぐ死んだ鳥たち。
2つの方向に影を落とす木。
何かから逃げようとしているのに、ぬかるみで足を取られて転びそうな母親。
倒れ込む馬。
惑星、三日月、満月の前に立つ花嫁、少年、女性。
体中に蔦が巻き付いて上手く前へ進めない花嫁。
水に浮かんで流されてゆく花嫁。
地球に衝突する惑星。。。

スローモーションで見せるこの一連の映像、後に主人公ジャスティンの頭の中に現れた映像である事が判明します。
このプロローグ以降の物語は二部構成です。

第一部は「ジャスティン」。
ジャスティンとマイケルとの結婚式が舞台。
ジャスティン達の姉、クレアとその旦那ジョンの豪邸で盛大な結婚パーティが開かれていた。
しかしジャスティンはパーティに遅刻した上に、突然パーティを抜け出して消えてしまったり、子供部屋で居眠り。
客をほっぽらかして客室で入浴したりと奇行の連続。
みんなが楽しんでいるパーティの中で、ジャスティンだけが憂鬱そうにしていた。彼女は鬱病を患っていたのだった。
しかし、ホストとしてパーティの費用を負担し、準備の為に時間を割いてきたクレアとジョンは、披露宴を成功させるべくジャスティンを責め立てる。
だが、追い詰められたジャスティンの行動はどんどん異常になっていき、そんな彼女に愛想をつかした新郎マイケルは別れを告げてパーティ会場から去っていってしまうのだった。

第二部はジャスティンの姉「クレア」が主人公。
結婚式の失敗により生きる気力を失った妹を引き取り、自宅で面倒を見ることにしたクレアとジョン。
しかしその頃クレアは地球に向かってくる惑星の事を気にかけていた。
地球に衝突すると言う専門家もいる。
しかし夫は絶対にぶつからない、美しい天体ショーが見れると言うが、クレアの不安は募るばかりだった。
ところが、惑星が地球に向かっていると知ってからジャスティンに生気が戻り始めた。
ジョンは天体望遠鏡を片手に天体ショーを連日眺めていた。
しかしある日、庭に望遠鏡を残して姿を消してしまった。
クレアが空を見上げると、以前にも増して惑星メランコリアが大きく見えるようになっていた。
ジョンに伝えようと豪邸内を探し回ると、厩の中で服毒自殺した彼の遺体を見つけるのだった。
息子やジャスティンに気付かれぬよう、遺体にワラを被せて隠すクレア。
狼狽するクレアに対し、迫り来る危機を目の前にしても冷静に振舞うジャスティン。

姉妹と地球を待ち受ける運命は。。。

静かに運命を受け入れようとするジャスティンと、逃げ場も無いのに右往左往するクレアが対照的。
第一部の結婚式では正気な人間として振舞っていたジョンは、地球の危機を悟ると真っ先に自らの命を絶ち、同じくクレアも現実が受け入れられずパニック状態に陥る。
また結婚式では常軌を逸した花嫁だったジャスティンが、異常な状況に置かれた第二部では冷静な女性へと変貌します。
クレアの幼い息子レオは、取り乱す母親しかいなかったら運命を受け入れる事はできなかったでしょう。
でもジャスティンがいたからこそ、穏やかに最後の時を迎えられたのだと思います。
それにしてもラストシーン、クレアは息子の手を放しましたよね。あれはひどいわ。

 

アンチクライスト
(原題:ANTICHRIST)
2009年デンマーク/ドイツ/フランス/スウェーデン/イタリア/ポーランド合作




すごい映画でした。
美しく、悲しく、恐ろしく、そしてとても深い作品です。

ラース・フォン・トリアー監督って今まではちょっと苦手でした。
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」は作品自体とビョークの持つ暗さに耐えられず、途中でリタイヤ。
「ドッグヴィル」もあの独特な撮影スタイルと暴力に馴染めず途中でリタイヤ。
普通はどんなにつまらない映画でも最後まで見たうえで結論を出したいと思ってるんですが、この監督の上記2本は体が生理的に受け付けなかったです。

なのにまた手に取ってしまった「アンチクライスト」。
これも例の如く暗いお話なんですが、これは普通に見れた。
いやいや、それどころか最後までグイグイ引き込まれながら見ちゃいました。

ウィレム・デフォーとシャルロット・ゲンズブール演じる夫婦がベッドで激しく愛し合っている最中、幼い息子はベビーベッドから抜け出し、アパートの窓から路上へと転落してしまう。
まず冒頭のこのシーンがとてつもなく美しい。
子供の命が失われるという悲惨な場面を、感動的なまでに美しく描いてしまうこの監督の感性に鳥肌が立ちました。

息子を亡くした事で精神を病んでしまった妻は病院へと入院するが、セラピストの旦那自ら妻を治療したいと、病院から自宅へと連れ帰ってくる。
治療を続ける中で、回復の鍵は妻が息子と共に訪れていた山小屋にあると判断した旦那は、妻と共にそこへと向かう。
しかし山小屋に来ても妻の状態は悪化する一方。
そんな時、物置の中で過去に妻が書いた論文を見つけた旦那は、妻が悪魔や死に対して強い興味を持っていた事を知る。

ここまでは夫婦のサイコスリラーという感じ。
ところがこれ以降は一気にホラーな展開になっていきます。
キャラ的にウィレム・デフォーが何かやらかしそうだと思っていたら、やらかすのは奥さんの方。
完全にぶっ壊れた奥さん、旦那の股間をぶっ飛ばし、気絶した旦那の足にドリルで穴を開けてグラインダーの巨大な砥石をボルト固定!
目覚めた旦那は隙を付いて逃げるも、足に付けられた石を引きずりながらなのですぐに追いつかれてしまう。
そして山小屋へ連れ戻され、とんでもない展開のラストへと向かっていきます。

肉欲というのはキリスト教でも大きな罪とされていますが、事の最中に息子を失い、その罪によって破滅していく反キリスト夫婦の話だと思って見ていました。
ところが元々奥さんは病んでいたようで、過去に書いた異様な論文、息子への虐待などが明らかになります。
そして最も衝撃的だったのは、窓から飛び出そうとする息子の姿を旦那に抱かれながら黙って見ていたという事実。
そもそもこの夫婦の問題は、映画の冒頭、妻と息子への関心が薄い旦那の態度。
奥さんを追い詰めたのは彼だったのかもしれません…と思いましたがどうでしょう!?
深い映画なので自分の理解が合っているという自信はないです。
暗示的な映像が多いのでそれらが何を表しているのかをよく理解しないとダメですね。
久々に突き詰めたい作品に出会えたので、何度も繰り返し見て内容を完全に理解したいと思います。

ちなみに、「とんでもないラスト」とお茶を濁しましたが、書いちゃいますよ。
自責の念が極まったからでしょうか、奥さんは自分の大切な部分をハサミでジョキ!っと切り取ってしまうのです。
大切な部分ですから日本のソフトでは当然ボカシが入ってます。
股の部分にハサミを持っていって…「ジョキッ」という効果音で何をしたかは想像がつきます。
しかしYOUTUBEで「Antichrist Makeup Effects」と検索するとボカシ無しのシーンも見れます。
勇気のある方はどうぞ。。。
 
 

カリーナの林檎~チェルノブイリの森
2011年日本映画




チェルノブイリ原発事故の影響が残る2004年のベラルーシで暮らす8歳の少女、カリーナのお話。

母親は体調を崩し入院、父親は出稼ぎに行ってしまい、叔母の家に預けられたカリーナ。
しかし叔母は心を閉ざした姪っ子に冷たく当たり、カリーナは自分の居場所が見つけられない。
そんな彼女が大好きなのは、チェルノブイリの隣町で今も一人暮らしているおばあちゃん。
夏の間、カリーナはおばあちゃんの家で楽しく暮らしていた。
しかし夏が終わりに近付き、学校も始まることから叔母の家へ帰る事になった。
また憂鬱な生活に戻り、季節が冬になった頃、おばあちゃんが体調を崩して寝込んだ事を知ったカリーナ。
一人家を抜け出し、バスでおばあちゃんの住む村へと向かう。
おばあちゃんはすぐに元気になったが、今度は入院中の母親の容態が悪化してしまった。
カリーナはそんな母から、みんなが調子悪いのは、チェルノブイリにある悪魔の城(チェルノブイリ原発)から毒(放射性物質)をばら撒いているせいだ、と聞かされる。
そしてついにカリーナまでも倒れてしまい、検査の結果、既に手遅れだという事が判明する。
その後、母親は昏睡状態に陥り、死にゆく病院の友達を見たカリーナはある決意をする。
悪魔の城へ行き、毒をばら撒くのをやめさせると、一人チェルノブイリ行きのバスへと乗り込むのだった。。。

現地で集めたキャストを使い、ベラルーシで撮影された作品ながら、実は日本の映画です。
「アイコ16歳」でデビュー、以降かわいい女の子を題材に映画を撮ってきた今関あきよし監督の作品。
この監督、少女を撮るのが上手い!と言われていたのに、少女にイタズラして何度も捕まっているんですよね。
一連の事件後、あまり名前を聞かなくなってしまい、正直、この「カリーナの林檎」を知るまで存在を忘れていました。
そして久々に名前を聞くきっかけになった新作の主役が8歳の少女。。。おいおい大丈夫か?と思いましたが、そんな心配は無用でした。
変な意味ではなく、瑞々しい少女を撮る力は全く衰えていません。
汚れない純粋な心を持ったカリーナが直面する残酷な現実に胸が締め付けられます。

2004年の製作当時、日本では関心の低さから公開できず…と言う事になっていますが、事件を起こした時期と重なるんですよね。
本当の理由は分かりませんが、とにかく公開されるまで長い時間が必要でした。
そして東日本大震災、福島第一原発事故が発生した2011年、ついに日の目を見る事になります。

監督自身がチェルノブイリまで調査に行き、入念な取材のうえで製作された映画。
これが福島第一原発事故前に公開されていたら何かが違っていたでしょうか?
「たられば」の話なんてしても何も変わりませんが、今からでもこの映画を見る価値は大いにあると思います。

チェルノブイリ、福島の美しい自然を汚し、そこで暮らす人々の生活や命を奪った罪は大きい。
それを改めて痛感した作品です。

 

マイ・ブラザー
(原題:BROTHERS)
2009年アメリカ映画



兵士で聡明な兄サム、刑務所あがりの弟トミーは仲の良い兄弟だった。
サムはアフガニスタンへ派兵されるが搭乗していたヘリコプターが撃墜され、家族の元へ戦死の知らせが届く。
兄の妻グレースはトミーを毛嫌いしていたが、自分と子供達を気にかけてくれる彼と次第に打ち解けていった。
サムの葬儀を終えて暫く経った頃、新しい人生を踏み出した彼らの元へ、捕虜となっていたサムが救出されたと連絡が届く。
一度は諦めた再会を果たした一家だったが、帰還したサムは以前とは別人のように暴力的になっていた。
そして、自分の留守中、妻と弟が肉体関係を持っていたのではないかと疑い始める。。。

兄サムを演じるのはサム・ライミ版「スパイダーマン」のトビー・マグワイア。
弟のトミーは「ジャーヘッド」「ブロークバック・マウンテン」のジェイク・ギレンホール。
サムの妻グレースは「ブラックスワン」「スターウォーズ新三部作」のナタリー・ポートマン。
この演技派3人の競演は見応えたっぷりです。
「スパイダーマン」でミーハー路線に走ったトビー・マグワイアでしたが、この作品では演技派俳優の実力を発揮しています。

兄弟の父役はサム・シェパード、父の後妻役がメア・ウィニンガム。
「セント・エルモス・ファイヤー」ファンとしてはメア・ウィニンガムは懐かしかったな~。
経歴を見ると出演作品は結構見ているんですが、他の作品では全く印象に残っていないのが不思議。

監督は「マイ・レフト・フット」「父の祈りを」等でアカデミー賞の常連でもある名匠ジム・シェリダン。
芸達者な役者たちと名監督のコラボレーションにより、PTSDに苦しむ兵士とその家族の姿を描き出したのが今作。
ジム・シェリダン作品としては重過ぎないので取っ付きやすいです。
でもサムが体験する捕虜生活や、自分を見失って暴れるサムの姿には恐怖を覚えます。

地獄の戦場から命からがら帰ってきたのに、そこで待っていたのは地獄のような日常。
サムが哀れ。

 

明日、君がいない
(原題: 2:37)
2006年オーストラリア映画




予告編を見て、片思いの女の子が自殺してしまう男の子が主人公だと思い込んでました。
でも見てみたらそんな甘っちょろいお話じゃありませんでした。
全然違うストーリーだったのでちょっとびっくりしましたが良い作品でした。

放課後の学校のトイレで自殺した生徒が発見される。
しかし遺体は映さず、誰が亡くなったのかはあえて知らせぬまま、時間はその日の早朝まで遡ります。
そこから遺体が発見される午後2時37分までの半日間、同じ高校に通う数名の生徒達の日常をを追っていきます。
たった半日間の間に、それぞれの生徒が悩む衝撃的な事実が次々と明らかになっていきます。
クローズアップされている生徒達は皆それぞれ悩みを抱えているので「自殺するのはだれか?」と推理しながら見る事になります。

理由は違っても同じように悩みを抱える仲間同士が、互いの存在を意識する事もなく校内で何度もすれ違っているのが切ないです。
お互いを知り、言葉を交す事ができたならばどれだけ気持ちが楽になったか。

最後、明らかになる自殺した生徒。
映画の中でも影の薄い子だったのでかなり意外でしたが、これには監督の深いメッセージが込められていると感じました。
その生徒も悩んでいると思わせるシーンがあったものの、脇役のように影が薄く、観客が気にも留めないキャラクターです。
それに気付いた時、観客はハッとさせられるはずです。
現実の世界でも同じように存在を軽く受け止めている友人、知人がいないでしょうか?
自分自身の事や、自分に極めて近い人に気を取られて、他の人をぞんざいに扱っている事がないでしょうか?
自殺する前に、その生徒の存在や発しているSOSに気付いてあげる事ができたなら、こんな結果にはならなかったかもしれません。
一人一人が周囲の人を尊重し、気にかけてあげる事ができたなら、イジメや自殺は無くなるのではないか?と考えさえる映画でした。

監督は撮影当時19歳と言う若さだったそうです。
だからこそ他人事ではない青春の痛みをリアルに描けたのかもしれませんね。

教育者や子供達と接する全ての人に見てもらいたい作品です。


隣の家の少女
(原題:THE GIRL NEXT DOOR)
2007年アメリカ映画



予告編と批評を見て「絶対見たくない!」と思ってた作品。
か弱い少女を寄ってたかって残虐な方法で嬲るんですが、これが実話ベースというのがもうダメ。
どうせフィクションなんだから…という精神的な逃げ場が無いんです。
 
でも何と、親切な友人が貸してくれると言ってわざわざDVDを持って来てくれたので、物凄い嫌悪感を抱きながら見始めました。
 
事故で両親を亡くしたメグとスーザンの姉妹が、少年デヴィッドが暮らす隣の家に引き取られてきた。
デヴィッドは隣の子供たちと仲が良く、自由に家を出入りしている。
メグに密かに恋心を寄せるデヴィッドだったが、隣の友人たちの母親ルースがメグに謂れの無い濡れ衣を着せては虐待を加えている事を知る。
最初は食事を与えず、精神的に追い詰めるだけだった虐待は、激しい暴力へと際限なくエスカレート。
そしてルースはメグを地下室へ閉じ込め、自分の子供たちにもメグの虐待に加担させる。
友人やルースの圧力の中、デヴィッドはメグを助ける事ができず苦悩し。。。
 
もう案の定、自分が一番嫌いな類の映画でした。
友人の厚意を裏切ってでもDVDを突き返すべきだったなあ、と後悔しまくり。
ずっといや~な気分のまま見てました。
 
これはホラー映画ではありません。
狂ったババアに精神面を支配された子供たちが、世にも恐ろしい事件を起こすという心理ドラマです。
よって、グロやゴアなシーンは見せません。
が、直接見せないからこそ、メグが受ける苦痛の数々が想像力を掻き立てて追体験してしまうんです。
そして鬼ババアのルースは、最終的にメグの大切な部分をバーナーで焼いちゃいます。
男の自分が見てても気を失いそうになりました。。。
 
ただ先にも書いたように、人間の内面に隠された暴力的な一面を描いた作品です。
決して暴力やセックスを面白おかしく描いている訳ではありません。
普通の主婦や子供たちが見せる暴力的な側面が、見ている人間を震え上がらせ、極限の嫌悪感を味わわせます。
鑑賞後、しばらく時間を置いてから冷静に考えると、スティーブン・キングが絶賛したというのも理解できる作品です。
 
ジャック・ケッチャムの小説が原作。
でも自分は原作は読んでいません。
聞いた話じゃ原作のほうがもっと残酷で救いの無いお話なんだそうです。
この映画版ですらギリギリだったのに、そんな恐ろしい書物読めませんわ…
 
そして、この物語のベースとなった実際の事件は「隣の家の少女」でググッていけばその情報に辿り着けるはず。
気になる方はそっちも調べてみては。


ランナウェイズ
(原題:THE RUNAWAYS)
2010年アメリカ映画




70年代に活躍した「ザ・ランナウェイズ」というガールズバンドの実話を元にしたストーリー。
バンドの名前は聞いた事があって知ってる曲も何曲かあったし、解散後のジョーン・ジェット、リタ・フォードはよく知っていたので、2011年に公開されたこの映画で改めてお勉強。

このバンドが活躍したのは70年代後半。
15~6歳の女の子が挑発的なパフォーマンスを繰り広げるスタイルは今見ても衝撃的です。
そしてロックンロールにつきもののドラッグや酒にまみれながら、わずか数年の活動期間を駆け抜けていきます。
この映画ではすっかり大人っぽくなったダコタ・ファニング演じるボーカルのシェリー・カーリーが脱退するまでを描いていきます。
ジョーン・ジェットがリードボーカルに代わってからの期間は描かれていません。
まあシェリー・カーリーが抜けた後のバンドの写真を見てもイマイチ華が感じられなくなっちゃってますから、彼女が抜けた時点で旬な時期は終わりだったのかもしれません。

それにしても、「アイ・アム・サム」の頃のダコタちゃんを知ってる者にとって、この作品内の彼女のキャラは相当衝撃的です。
ダーティでビッチな姿は「え!?ダコタ・ファニングってこんな事しちゃうの?」とたまげます。
でもメイクを落とした素顔のシーンはやっぱり可憐で、子供の頃のイメージは十分感じられてホッとしたりします。
彼女のその変貌ぶりは「ランナウェイズ」の大きな見所の一つと言っても過言ではないでしょう。

ちなみにジョーン・ジェットを演じるクリステン・スチュワートはかなり雰囲気が似ていてこれまたびっくりです。
「トワイライト」でモンスターに翻弄される可憐なヒロインよりも、ジョーン・ジェットの方がはまっていました。
格好良かったです。

今回初めて知ったのですが、日本では大ブレイクした「ザ・ランナウェイズ」、実は本国じゃそれほど成功しなかったんだとか。
ちょっと意外でした。





グラントリノ
(原題:GRAN TRINO)
2008年アメリカ映画




 

またまた監督クリント・イーストウッドがやってくれました。
新しい名作の誕生です。

往年のフォードの名車がタイトルになってる事から、クルマが走り回るアクション映画と思ったら大間違い。
近年のイーストウッド映画らしく、静かに心を震わせてくれる作品です。
 
イーストウッド演じる偏屈爺さんが、蔑んでいたアジア系移民との交流を通じて人間らしさを取り戻していくお話。
朝鮮戦争で犯した過ちから自分を赦せず孤独に暮らしていた老人が、如何にして安らぎを得ていくかが見所。
名車グラントリノは、閉ざされた老人の心の象徴として使われています。
 
毎度のことながら、甘っちょろいお涙頂戴のお話ではありません。
相当に苦いです。
苦いけれど、人と関わっていく事の難しさだけでなく素晴らしさも改めて教えてくれます。
エンディングへと繋がる出来事は、見ているこちらにも大きな動揺を与えます。
そして老人が最後に自ら選ぶ運命に、誰もが魂を揺さぶられるはず。
 
俳優イーストウッドは本当にいぶし銀の演技を見せてくれますが、残念な事にグラントリノを最後に俳優業からは引退するそうです。
荒野で葉巻をくわえ、サンフランシスコで44マグナムをぶっ放す姿を幼い頃から見ていた私は寂しくてたまりません。
でも俳優のキャリアの最後を飾る作品としてグラントリノを選んでくれたことに、我々ファンは感謝すべきですね。
 
俳優引退は残念ですけど、今後は素晴らしい作品を見せてくれる映像作家イーストウッドに期待しましょう。
類稀なる才能を持った映画人ですから、まだまだ長生きしていい映画をたくさん見せてほしいと切に願います。

 


地震列島
1980年日本映画


災害を扱ったパニック映画というのは昔から色々な作品が作られてきました。
火災、台風、洪水、竜巻、火山、地震…。
今日紹介するのは1980年公開の日本映画「地震列島」です。
幼い頃、金曜の夕刊に掲載されたこの映画の広告に衝撃を受けたのを覚えています。
新宿の高層ビル群が火を噴き崩落しかかっているその広告に興味を引かれ、父親に頼んで映画館へ連れて行ってもらいました。
映像も子供の自分にはショッキングでした。
文明がこうも簡単に破壊されてしまうのかと。。。
 
勝野洋演じる地質学者が異常な火山活動を察知。
大地震が起こるとの警鐘を鳴らすが誰も聞く耳を持たない。。。というよくあるパターンです。
当然、主人公が言ったとおり地震が発生し、東京が壊滅することになります。
この主人公には妻子があるのですが、関係がうまくいっておらず崩壊寸前。
おまけに愛人多岐川裕美の部屋に転がり込む生活。
この人間関係が後にドラマを生み出します。
 
ドラマとしても楽しめますが、やはり見所は地鳴りと共に押し寄せる地震のシーンでしょう。
高層ビル、首都高、地下鉄、空港などが次々に破壊されていきます。
30年前のSFX(というか特撮)ですから作り物なのは分かりますが、当時としてはかなりハイレベルの特撮だったのではないでしょうか。
今見てもなかなか衝撃的です。

インターネット上で動画を探してみたのですが、予告編すら見つかりませんでした。
あの映像を是非大勢の方に見てもらいたかったんですが。
興味があればDVDを買って見てみてくださいね。
 
今年もまもなく防災の日がやってきます。
折りしも日本中で地震が頻発しているこの時期。
こんな映画で改めて地震の恐怖を感じてみては?


[1] [2
  HOME   : Next  »
カウンター
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
最新記事
(07/02)
(06/18)
(06/17)
(06/12)
(06/12)
(06/12)
(05/09)
(05/09)
(05/01)
(04/30)
(04/30)
(04/27)
(04/27)
(04/06)
(03/27)
(03/27)
(10/12)
(10/02)
(10/01)
(09/01)
ブログ内検索
最古記事
(03/07)
(03/07)
(03/07)
(03/08)
(03/08)
(03/08)
(03/08)
(03/08)
(03/08)
(03/10)
(03/10)
(03/12)
(03/12)
(03/15)
(03/20)
(03/20)
(03/26)
(03/26)
(03/26)
(03/26)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
みっちぃ
性別:
男性
趣味:
アメ車でドライブ
自己紹介:
アメ車が3度のメシより大好物!カマロ、ダットラ、タホ、キャバリエと乗り継いで、今はマスタングに乗っています♪アメ車好きになったのは、幼い頃、映画の中で走り回る姿に憧れて。乗ると映画の主人公気分が味わえるアメ車は、映画ファンの方に超おすすめのクルマですっ!
ちなみにこのサイトは、ホームページ「BOTIE MANIA~アメ車に乗ろう!!」の映画紹介コーナーをブログ化したものです。
最新コメント
バーコード
アクセス解析
フリーエリア
忍者ブログ [PR]