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「ドラゴン・タトゥーの女」
(原題:THE GIRL WITH THE DRAGON TATTOO)
2011年アメリカ映画




昔、ブラッド・ピット、モーガン・フリーマンの「セブン」を劇場で見て、まだ若かったデビッド・フィンチャー監督の手腕に驚いたものです。
「セブン」は大好きな映画になり、その後何度も繰り返し見ました。
しかしその後、マイケル・ダグラスとショーン・ペンが競演した「ゲーム」にがっかり。(特に脚本)
また「ファイトクラブ」は面白かったけど、世間で評価の高かった「ベンジャミン・バトン」はいまいち良さが理解できませんでした。
個人的には当たり外れ(作品の出来ではなく、自分の感性に)がある監督という印象に変わりました。
しかし、「ソーシャルネットワーク」を見たとき、この監督はやはりすごい!と再認識。
そこでまたデビッド・フィンチャー熱が高まって、見逃していた「ゾディアック」を見たところ、これまた素晴らしい作品でした。
そして今回の「ドラゴンタトゥーの女」です。

えー、正直申しまして、難解でした。。。
物語が難しいのではなく、登場人物の名前が難しくて覚えられないんです。。。
この作品の舞台はスウェーデン。
聞きなれない名前のオンパレードで、一度聞いただけでは頭に入ってきません。
そんな訳で、物語に没頭して見れるのは2度目、3度目の鑑賞からでした。

実業家ハンス・エリック・ヴェンネルストレムの裏稼業を暴いた新聞記者のミカエル(ダニエル・クレイグ)は、名誉毀損で彼から訴えられてしまう。
権力に押さえ込まれて裁判に負けたミカエルは新聞社を去る決意をする。
丁度その頃、ヘンリック・ヴァンゲルと言う、これまた実業家の老人が、ミカエルにある仕事を依頼するのに適役かどうかを判断する為、天才女性ハッカーであるリスベット(ルーニー・マーラ)に身辺調査をさせていた。
その仕事とは、40年前に失踪したヘンリックの一族の少女の事を調査して欲しいという内容だった。
仕事の謝礼は、ミカエルを陥れたヴェンネルストレムを失墜させられる証拠品だという。
老人とその一族の住む島へ部屋を借り、幾つかの手がかりを元に一族を調べ始めるミカエル。
ハッカーとしての才能を買われたリスベットも助手として調査に加わり、ヴァンゲル一族の謎へと近付いていく…

これはストーリーの導入部分だけです。
このほか、調査の対象となる一族の人間の名前が山ほど登場してきますが、ヴァンゲル家の人たちは基本的にファーストネームで呼ばれるのでどうにか顔と名前は一致します。
とはいっても耳に馴染みがないので覚えにくいですが。
それよりも困るのは苗字で呼ばれる人たち。
まずヴェンネルストレム、ブルムクヴィスト、ピュルマン、アルマンスキー、リンドグレーン、フルーデ…絶対無理。
せめてファーストネームも付けて呼んで欲しい。

と、名前の事ばかり書きましたが、それだけクリアできれば小説を読むように展開する物語に集中できます。
映像で活字を読むように物語を描写するデビッド・フィンチャー監督の技はやはりすごい。

そしてキャストも素晴らしく、007とは違う枯れた感じのダニエル・クレイグもいい味が出ています。
でも何より、リスベットを演じるルーニー・マーラが素晴らしい!!
多方面で賞賛されているのがよく分かります。
ルーニー・マーラは駄作「エルム街の悪夢」のリメイク版で初めて知り、その後「ソーシャルネットワーク」でも可愛いな♪と思ってましたが、予備知識無しで見始めた「ドラゴンタトゥーの女」がまさか同一人物だとは気付きませんでした。
それくらい今までのルーニー・マーラをぶち壊した熱演…いや、もはや怪演の域ですね。
端正な美人女優なのに、刈り上げ、モヒカン、ピアス、タトゥー、パンクファッション。
弁護士に乱暴されたり、狂気的な復讐劇に身を投じたりと、この作品のために体を張っています。
そして彼女が演じるリスベットの悲しみが終始画面から滲み出してくるのに圧倒されます。

登場人物だけ把握すれば非常に見応えのある作品です。
名前と顔を上手く結び付けながら注意深く見てみてください。
1回見て訳が分からなくてもそこで諦めちゃもったいないくらいの良作ですから。

ちなみに3部作という事なので、続編に備えて早めに見ておく事をお勧めします!

  


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「東京原発」
2002年日本映画
 
 
東日本大震災よりも10年近く前に製作された日本映画です。
その内容は、まるで福島第一原発事故が発生する事を予見していたかのように、日本の原発に対して警鐘を鳴らしていました。
そして現在も問題視されている、地震への不完全な対策、活断層の存在など、とても10年以上前に作られた映画とは思えません。

しかし製作当時、世間の関心の低さから劇場公開までに2年を要したというのが情けない。
福島の事故は、そんな日本人の無関心さが招いた事故なのかもしれません。
ちなみに自分は、実は電力会社が圧力かけたりして公開できないようにしてたのでは?と思ってますが…。

原発を抱える自治体が優遇される制度を目当てに、都の財政問題等を解決しようと、都知事が東京に原発を誘致しようとするストーリー。
東京都庁の会議室で、都知事の役所広司をはじめとする幹部職員(段田安則、平田満、田山涼成、岸部一徳、菅原大吉、吉田日出子)が、知事の爆弾発言を議論していきます。
基本的に軽いノリのコメディですが、幹部たちの滑稽なやりとりの中で原発や電気を取り巻く様々な問題が露わにされていきます。
途中、東大教授が識者として呼び出され、さらに突っ込んだ内容が議論されます。

都庁内でそんなドタバタ問答を繰り広げている中、秘密裏に東京のお台場から陸揚げされた核燃料が、陸路で福井県へと出発した。
ところが、核燃料を積んだトラックが少年テロリストにカージャックされてしまう。
起爆装置を付けられたトラックは東京都庁をターゲットにして走り始めた。。。

最終的に、知事の東京に原発を誘致するという発言は、現在の原発のあり方を提起するためのアクションだったという事が判明します。
地方に原発を押し付け、そこから電気を貰っている他地域の住民に現状を考え直してもらう事が目的だったのです。
それでも現状が変わらないならば、本当に東京に原発を作る、と言う知事が格好いい。

震災以降でこそ、以前よりも突っ込んだ報道がされるようになりましたが、当時は利権者の手前、タブー視されていた原発、電気に関する問題を次々と引っ張り出したのはお見事です。
ただ、映画が製作された2002年時点のデータという事を踏まえて見ましょう。
例えば、世界一電気料金が高いのは日本だと紹介されていましたが、その後、イタリアやドイツの電気代が跳ね上がった事で映画製作直後に世界一の座は譲っています。
ただ、それでも割高な電気料金を払わされているのは確かですが。(またその理由が腹立たしい。理由は映画の中で紹介されます。)

製作当時であればやや難しいテーマだったかもしれませんが、軽妙なやりとりで具体的なデータを見せることで、非常に分かりやすい構成です。
ましてや、今の日本国民にとって原発といえば生活に直結した身近な問題。
誰でも多少なりとも原発に対する知識を備えているでしょうから、決して難しい映画ではありません。
次々と露呈する衝撃的な事実に驚きの連続で、退屈することなく見れる作品です。

また、「東京原発」で取り扱われたデータについて揚げ足取りのように反論しているサイトがありますが、所詮娯楽映画なんだし、目くじら立てて「ここは違う。あそこはおかしい。」と指摘するのは何か違和感感じますわ。
この作品の中の知事と同じで、この映画がみんなで考えるきっかけになれば充分でしょう。
難癖つけてる原発にお詳しいご立派な識者様だって、原発が抱える問題点を国民に広く知らせることはできなかったんだからね。

もっと早くこの作品を大勢の日本人が見ていれば…なんていうのは今さら言っても無駄。
でも原発の恐怖を身をもって知った我々は、このコメディタッチの映画から多くの事を感じる事ができます。
そして今見れば、問題から目を背けていた自分に後ろめたさを感じるはず。
同じ過ちを繰り返さぬよう、その気持ちは絶対に忘れてはいけないと思いました。
 
 

リンク
(原題:LINK)
1986年イギリス映画




ヒッチコックの熱狂的ファンであり、その下で映画製作に参加した事もある技巧派リチャード・フランクリン監督作品。
出身地であるオーストラリアで製作した「パトリック」でその手腕が認められ、1983年に「サイコ2」の監督に抜擢された。
その3年後にイギリスで撮ったのがこの「リンク」です。

25年ほど前にレンタルビデオで見て大好きになった作品ですが、ついに2013年、DVDで再度拝める日がやって来ました!

猿の高い知能に目をつけ、その研究を行っている教授(テレンス・スタンプ)の家に住み込みのアルバイトにやってきた女子大生ジェーン(エリザベス・シュー)。
人里離れた豪邸で目にしたのは、人間とコミュニケーションを図る知能を備えた老オランウータンのリンクと、チンパンジーのブードゥ、インプだった。
しかし教授は、暴力的で手に負えなくなったブードゥと、研究対象としては年老いてしまったリンクを動物買取業者へと引き取るよう電話で依頼していた。
翌日、業者へと引き渡す為、研究室でブードゥを檻に入れようとしていた教授だったが、その背後からリンクが襲い掛かった。。。

何も言わずに姿を消した教授を不審に思ったジェーンだったが、教授の車とブードゥも消えていた事から、町の業者の下へ行ったのだと判断する。
リンク、インプと共に教授の帰りを待っていると、動物買取業者が教授を探しにやってくる。
教授は業者の下には行っていなかったのである。
業者を追い返した後、研究室を調べるジェーンは戸棚の中に隠されていたブードゥの遺体と、破壊された教授のメガネを発見する。
リンクに対する疑念を抱くジェーンに、リンクは反抗的な態度を示すようになる。
そして…

リチャード・フランクリン監督がヒッチコックの後継者と呼ばれるのも納得できる、サスペンス映画の佳作、いや傑作です!
敬愛するヒッチコックを意識し過ぎた余り、当時は一部批評家から「猿真似」などと評されていましたが、私はオマージュとして好意的に捉えました。
マットペインティングによる背景描写や、セットを舞台装置のように見せる撮り方など、ヒッチコックファンならではの遊び心が満載。

そんなマニア監督の遊び道具としてだけではなく、サスペンス映画としての出来も素晴らしいです。
連絡手段は断たれ、遥か遠くの町へ行くには野犬がうろつく荒野を抜けなければならない。
そんな陸の孤島に1人残された女子大生と邪悪な知恵を持ったオランウータンの心理戦が見事に描かれています。

恐怖を演出する上で大きな役割を果たしているのが猿の演技。
リンクの目を使った演技は、人間が猿のメイクで演じているのではないかと思えるほど。
お風呂に入ろうとする全裸のジェーンを見つめるリンクのいやらしい目つき!
アカデミー賞をあげたいくらいです。
ちなみに「リンク」「ベビーシッターアドベンチャー」の頃のエリザベス・シューが大好きだった自分も、きっとリンクのような目でこの場面を見ていたかも。。。

お金は掛けなくても、アイデアと演出力で一級のサスペンス映画を取り上げたリチャード・フランクリン監督は天才だと思います。
しかし、その後はなぜかパッとしないまま数本の作品を残してオーストラリアへ帰ってしまいました。
あまりにマニアック過ぎて、商業主義が強い近年のハリウッドではなかなか才能を発揮する場所に恵まれなかったのでしょう。
帰郷後はテレビ映画などを手掛けていたようですが、残念なことに2007年にガンで他界されてしまいました。
もっとサスペンス映画を撮らせてあげて欲しかったです。

それにしてもオーストラリアからは才能のある映画監督が多数現れますが、その後伸び悩んだり、あまり名前を聞かなくなってしまう人が多いように感じます。
個人的に好きなオーストラリア監督の作品は、ラッセル・マルケイ(ハイランダー、エンド・オブ・ザ・ワールド)、フィリップ・ノイス(パトリオット・ゲー ム、今そこにある危機)、ピーター・ウィアー(刑事ジョン・ブック、モスキート・コースト)、P・J・ホーガン(ミュリエルの結婚)、ブルース・ベレスフォード(ドライビング Miss デイジー)などなど。
こういった監督の持ち味が生きた作品をまた見たいなあ…なんて、亡くなったリチャード・フランクリン監督に想いを馳せつつ考えてしまいました。




ロンドンゾンビ紀行
(原題:COCKNEYS VS ZOMBIES)
2012年イギリス映画




またまた出ました、コメディのゾンビ物。

ロンドンのど真ん中の建設現場で発見された遺跡。
作業員が中に入るとミイラ化したゾンビが襲い掛かってきた!

テリーとアンディの兄弟は、彼らの祖父が入所する老人ホームが資金難に陥り、遠方へ移転する事に胸を痛めていた。
二人は従姉妹のケイティ、友人のミッキー、デヴィを巻き込み、老人ホーム救済のため銀行強盗を実行する。
銀行に押し入っているうちに周辺は多数の警官に囲まれてしまう。
人質を取り、覚悟を決めて正面玄関から外へと出る一行…、しかしそこでは警官たちが大勢のゾンビたちに食われている所だった。
難なく銀行を後にし、隠れ家へと戻る一行だったが、ミッキーがゾンビに噛まれて甦ってしまう。
ミッキーは戦場で頭に傷を負い、頭蓋骨の代わりに鉄板が埋め込まれていた。
銃で頭を撃っても死なないミッキーの口に、テリーが手榴弾を押し込み、木っ端微塵に吹っ飛ばした。
その混乱に乗じて人質のクライブがミッキーの銃を拾い、強盗団に銃を向けた。
しかしその背後からゾンビが襲いかかったとき、はずみで引き金を引いてしまいデヴィが撃ち殺されしまう。
クライブは生きたままゾンビに体を引き裂かれて食われてしまった。

最早安全ではなくなった隠れがを飛び出した一行は、ロンドン名物二階建てバスを奪って老人ホームへ。
ホームでは老人達が施設内に籠城してゾンビの攻撃を凌いでいるところだった。
彼らが持ち込んだ銃を手にした老人達は、強力な火力でゾンビを撃退し、無事二階建てバスでホームからの脱出に成功する。
しかし途中で二階建てバスが故障、立ち往生してしまう。
一行は近くの川にある船着場へ移動し、水上へと避難しようと考えるがそこにゾンビたちが迫る。。。

ゾンビ化した鉄板頭のミッキーに向けて銃を撃ってもカンカン弾き返すところや、歩行器のおじいちゃんが必死にゾンビから逃げるシーンなど、笑いのセンスは日本人にも分かりやすいです。
人質にされるクライブの空気の読めなさ加減も爆笑ポイントでした。
あとゾンビ化したフーリガンの暴動も面白かった。

このようにコメディとしての質も高いですが、ゾンビ映画ならではのゴア描写も健在。
CGに頼りすぎず、じっくり見せる所は特殊メイクを使って上手く表現していました。
CG全盛の今でもこういう使い分けはとても大切だと思います。

万人にお勧めできるゾンビ映画がまた一本増えました♪

 

マンディ・レイン 血まみれ金髪女子高生
(原題:ALL THE BOYS LOVE MANDY LANE)
2006年アメリカ映画




先に書いちゃいますけど、これは無い。
1時間半も付き合った客に対する敬意が全く感じられない幕切れに怒りすら覚えました。
アンバー・ハードが出てるという事でちゃんとした作品だと期待しすぎていたかもしれないけど、その分を差し引いてもあり得ない。

高校のアイドル、マンディ・レイン。
誰もが憧れる存在の彼女だったが、身持ちが固く、言い寄る男は皆撃沈。

ある日同級生の自宅で開かれるパーティに誘われたマンディ・レインは、彼女が親友と呼ぶ内向的な男子生徒エメットも一緒なら、という条件付で参加する。
そのパーティでエメットは、マンディを力ずくで自分のものにしようとしている男子生徒をそそのかして事故死させ、それ以来、エメットとマンディ・レインは疎遠になってしまう。

9ヵ月後、友人グループとの旅行に参加する事になったマンディ・レイン。
男女3人ずつの彼らが田舎の別荘へと到着すると、管理人ガースが出迎える。
そこに謎の殺人者が現れ、彼らを一人、また一人と殺していく。。。

犯人はエメットなんだろうな…と思ってたら案の定。
しかもかなり早い段階で明らかにしちゃいます。
早々にネタばらしするということは、きっと最後に大どんでん返しがあるのでは?と期待しますよね。
そこは期待通り、最後に大どんでん返しが用意されています。

何と、エメットとマンディはグル。
最後に生き残った友人の腹部にナイフを突き刺すマンディ。
全員を殺したところでエメットは「約束どおり、一緒に死のう」とを誘います。
しかしそれを拒んだマンディに対して銃を向けるエメット。
その時、ガースがエメットを撃ちますが、急所を外れて逆にガースが撃たれてしまいます。
マンディは負傷したエメットを滅多打ちにして殺害。
負傷したガースを助けたところで終劇。

純情なエメットを自慢の美貌でそそのかし、友人達を殺させた挙句に殺害、罪を被せて完全犯罪の完成。というオチなんでしょうか。
その割には殺しに使ったナイフは指紋べったり付けたままだし、な~んか中途半端。

作品のタッチは前半が普通の青春映画っぽくて、何となく後半とのギャップに期待していたんだけど、期待したほどの変化も無し。
全体的にホラーと言うには大人しく、サスペンスと言うにはドキドキしない。
やっぱり中途半端。

そして最大の問題は、何故マンディ・レインが友人を殺したかったのかが語られないのです。
前半のパーティの事故もその後の物語への影響も無く、どうやら単なる一つのエピソードでしかない模様。
あのシーンは必要だったのだろうか。。。

マンディの殺人に理由が無いのなら「理由はありません!」ってはっきり言ってもらえればそれはそれで怖い。
何も言わずに終わっちゃったのが本当にもったいない。
せっかく作った映画なのにどうしてこんな終わらせ方しちゃったんだろうなあ。

(予告編動画は一番画質が良かったドイツ版ですが、アメリカの映画ですので。)



襲撃者の夜
(原題:OFFSPRING)
2009年アメリカ映画




ジャック・ケッチャム原作ですが、私はこの作品とその前編となる小説は読まずにこの映画を見ました。
ネット上にあるレビューは小説を読んだ方が書いたものが大半なので、予備知識無しで見た者の感想を書いてみます。

オープニング、古い新聞記事が映し出され、燈台守が失踪した事件と、その後起こった住民の失踪事件が紹介されていきます。
そして現代。仕事から帰った主婦が自宅に帰ると、赤ん坊の子守を頼んでいたベビーシッターのバラバラ死体を発見。
その遺体には原始人のような姿の野蛮人一家が食らい付いていた。
恐怖におののく主婦に、野蛮人たちは息絶えた我が子を見せ、半狂乱になったところで主婦も殺されてしまう。
この野蛮人たちは失踪した燈台守の子孫で、アメリカとカナダの国境付近の森を移動しながら、人間を捕食しながら暮らしていたのだった。

警官はこの異常な事件の捜査を進めるにあたり、元刑事の老人の協力を依頼し、野蛮人一家を追っていた。

場面は変わり、赤ちゃんと3人で暮らす夫婦の家。
幸せに暮らす一家だったが、ある夜、半裸の女が遠巻きに一家を見ているのを旦那が発見。
女はすぐに姿を消したが、それが凄惨な事件の始まりだとはまだ気付いていない。。。
そんな一家の元へ、DV男と離婚協議中の友人とその息子が遊びに来る。
楽しい休日が始まるはずだったが、そこにDV男から自分もそこへ向かっていると電話が入る。
妻子に近付く事を禁じられている男が来ると知り、警察に電話するがあいにく警官たちは惨殺事件の捜査で出払っていた。

そしてその夜、ついに野蛮人たちが夫婦の家に押し入ってきた。
旦那は生きたまま内臓を引き抜かれその場で絶命。妻は失神。
遊びに来ていた親子は夫婦の赤ちゃんを抱いて窓から脱出。
しかし追い詰められ、息子と赤ちゃんを逃がすために母親は捕らえられてしまった。
そんな修羅場の家にDV男が到着。
襲い掛かってきた野蛮人ファミリーをどうにか振り切り、逃げ出すことに成功する。

捕らえられた二人の主婦は生きたまま野蛮人の住む洞窟へと連れて行かれる。

野蛮人を追っていた警官たちは、野蛮人から逃げてきたDV男を保護する。
しかし裁判所の命令を無視して妻子の元へ向かっている事がバレそうになった男は、夜の森へ逃げ込んで姿をくらました。

消えたDV男が残していった情報により近くに野蛮人達がいると知った警官たちは追跡を再開。
しかしその直後、夜道で襲われ、警官二人が死亡、元刑事だけが助かる。

海岸まで逃げ延びたDV男は、結局野蛮人に捕まり、洞窟へと拉致される。

そして、野蛮人を尾行した少年の協力により元刑事は洞窟へと踏み込む。。。。

現代に原始人のような暮らしを続けながら人を食べている食人一家が居るという設定はショッキングです。
子供を容赦なく殺したり、また子供が無邪気に死体を貪ったりするのも衝撃的。
生きたまま内臓をズルズル引き抜く、頭を横一文字に切断されて脳みそをムシャムシャ食われたりする場面など、ゴアシーンも頑張っています。
しかし作品全体の印象はよくあるB級スプラッターの域を出ていません。

監督はジャック・ケッチャム作品ばかり撮っているアンドリュー・ヴァン・デン・ハウテン。
ケッチャム原作の同監督作品なら、この前に撮った「隣の家の少女」の方が面白かった。…というか胸糞悪いくらい印象に残りました。
「襲撃者の夜」は「隣の家の少女」には無かったゴア描写や流血描写がてんこ盛りなんですが、そこに頼り過ぎたかもしれません。
もっと不快な展開に期待していたのであっさりと終わってしまい拍子抜けでした。

でもB級スプラッター好きなら充分楽しめると思います♪

ちなみに、ちょっと気になったのは、所々映像がピンボケするところ。
同じシーンを予告編で見るとくっきり鮮明なので、DVDの仕様の問題なのでしょうか?


エリート・スクワッド ブラジル特殊部隊BOPE
(原題:TROPA DE ELITE 2 - O INIMIGO AGORA E OUTRO)
2010年ブラジル映画
 
 
記録的大ヒットを飛ばした「エリート・スクワッド」の続編。
前作で特殊部隊BOPEを率いていたナシメント大尉と、BOPEへ入隊したばかりだったマチアスが登場します。
しかし物語はナシメント大尉寄りとなっており、マチアスの影はやや薄いです。
 
刑務所で発生した暴動鎮圧に借り出されたナシメント率いるBOPE。
しかしマチアスの先走った行動により、囚人達の無駄な血が流されての幕引きとなった。
その失態の責任を取らされたナシメントはBOPEを辞めさせられる事となったが、市民は彼を英雄のように讃えた。
それを知った政治家達は市民の顔色を伺い、ナシメントを情報捜査のオフィス勤務へと栄転させた。
しかし混乱を招いた張本人のマチアスは、BOPEから警察署へと左遷されてしまう。
 
それから4年後、暗躍する汚職警官たちは組織化、ギャング以上に勢力を拡大してファベーラを牛耳っていた。
ナシメントはBOPEに復帰したマチアスらと手を組み、汚職警官たちに戦いを挑んでいく。
しかし汚職警官たちの背後には悪徳政治家たちが潜んでいたのだった。。。
 
前作より大幅にスケールアップ!テンションもアップ!
超ハイスピードで様々な事件が発生するので着いて行くのが大変(笑)
一瞬たりとも気を抜けない作品です。
 
前作もそうでしたが、本当に良くできた社会派アクション映画です。
ただアホみたいにドンパチするだけではなく、かなり際どい社会問題を取り上げている点がお見事。
現実に問題となっているテーマをベースに一級の娯楽作品に仕立てています。
 
例の如くDVDジャケットはB級アクション映画風デザインですが、実は内容の濃いアクション映画の傑作なのです!
 
 

エリート・スクワッド
(原題:TROPA DE ELITE)
2008年ブラジル映画
 
 
「シティ・オブ・ゴッド」以降、個人的に注目しているブラジル映画の良作です。
 
ブラジル・リオデジャネイロのスラム、ファベーラの犯罪と戦う為に組織された特殊部隊BOPEのお話。
物語の中心となるのはBOPEのナシメント大尉と、苦しい訓練に耐え、警官からBOPAへ転身した新人隊員マチアス。
 
ファベーラでは麻薬ギャング同士の抗争が後を絶たなかった。
そして住人達は誰もが麻薬に手を染め、子供たちもギャングの仕事に荷担している。
また法の番人である警察官も賄賂まみれで、ギャングの違法行為を見逃していた。
そんな荒れたファベーラに平和を取り戻すべく、ナシメントやマチアス達は銃を手に戦いを挑んでいく。
 
タイトルやDVDジャケットを見るとB級アクション映画のようですが、実際は社会問題に真っ向から切り込んだ社会派アクション。
娯楽作品でありながら見る者にブラジルが直面している問題を提起しているのがお見事。
より多くの観客に訴えるエンターテイメントの形を取りながら、社会を変える可能性を秘めた作品です。
骨太のドラマも楽しめる良質のアクション映画。
中身の無い娯楽映画ばかり量産しているハリウッドに見習って欲しい。
 
ブラジル映画なんて聞くとちょっと身構えますが、ハリウッド映画を見慣れた映画ファンでも納得のクオリティ。
見慣れたスター俳優は出ていないし、言葉も馴染みの無いポルトガル語。
それでも違和感無く作品の中に入っていけると思います。
ただ、物語のテンポが早過ぎて、油断していると置いて行かれるのでご注意を。
 
現在も警察は頑張ってファベーラの治安回復に努めているようです。
でもこの作品を見る限り、犯罪を根絶やしにするまでには長い時間が掛かりそうです。
(ワールドカップやオリンピックなんか開催して大丈夫なんだろうか。。。)
 

私の中のあなた
(原題:MY SISTER'S KEEPER)
2009年アメリカ映画




白血病で苦しむ姉ケイトに血液、骨髄などを移植するため、遺伝子操作で生まれてきた妹アナ。
姉を救うために幼い頃から辛い移植手術にも耐えてきた。
しかし姉の病状が悪化、腎臓の機能が弱まり、両親から腎臓を姉に提供するよう言われたアナはそれを拒否。
僅かな小遣いを握り締め、やり手の弁護士アレクザンダーに両親を訴えるよう依頼する。
実の娘に訴えられた両親だったが、元々弁護士だった母サラは自らの弁護を担当。
法廷で娘と対決する事になってしまう。

自分の体は自分で守る。私はお姉ちゃんのスペアパーツじゃない!と言うアナでしたが、両親を訴えた本当の理由は物語の最後に明かされます。

主役のアナは、10歳のときに「リトル・ミス・サンシャイン」でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた演技派少女アビゲイル・ブレスリン。
やはりとても芸達者で、少女の心の揺れ動きを絶妙に表現しています。
アナよりも姉ケイトを優先する母親はキャメロン・ディアス、家族を静かに見守る父親はジェイソン・パトリック。
このスターたちに負けずに強烈な印象を残しているのが姉ケイトを演じるソフィア・ヴァジリーヴァ。テレビなどで活躍している女優さんのようです。

監督は、インディーズ映画の父ジョン・カサヴェテス監督と大女優ジーナ・ローランズの息子、ニック・カサヴェテス。
いい加減この説明の仕方は失礼かな?「シーズ・ゾー・ラブリー」「きみに読む物語」の監督さんであり、「処刑ライダー」や「フェイス・オフ」などでは俳優としても活躍している人です。
監督と俳優、二足のわらじを履いてるのはお父さんと一緒ですね。

複雑な状況に追い込まれた家族と少女の葛藤を繊細に描いたこの作品。
重々しいテーマでありながら、所々にユーモアを交えて暗くしていないのが上手い。
ただ、キャメロン・ディアスの嫌な母親像はちょっとデフォルメされ過ぎててやや浮いている感じもありましたが。

もしも自分の子供が瀕死の状態の時、その妹に体の一部を譲ってやれ、なんて言えるのだろうか?
子を持つ親としては考えさせられる映画でした。

 

メイ
(原題:MAY)
2002年アメリカ映画
 

幼い頃から斜視だったため、引っ込み思案な子供時代を過ごしたメイ。
唯一の友達は母親からプレゼントされたガラスケース入りの不気味な人形だけだった。

そして大人になり動物病院で働き始めた彼女は、矯正用のコンタクトレンズを購入して斜視を克服。
自信を得たメイは密かに想いを寄せる、美しい手を持った自動車修理工の青年へとアプローチを開始する。
深い人付き合いをした事が無い為、ぎこちないながらも恋心を伝える事に成功。二人はデートを重ねる。
彼の部屋で二人が結ばれようとした直前、何を思ったかメイは彼の唇に噛み付き、出血させてしまう。
怒った彼はメイに別れを告げ、去っていってしまった。
傷心を慰めてくれた同性愛者の友人にも裏切られ、孤独に陥ったメイは、自分好みの友達を作る事を思いつく。
ハロウィンの夜、手作りの仮装衣装を纏い、クーラーボックスを引きずりながら夜の街へ繰り出したメイは、元彼や友人宅を訪問。
自分のお気に入りのパーツを集めて自宅に戻ったメイは、パーツを繋ぎ合わせて友達を作り上げた。
しかし、友達には足りないパーツがあった。。。

前半はちょっと変わった女の子の危ないラブストーリーのような展開。
メイはちょっと変わってて不気味な女の子なんだけど、健気で一生懸命人に好かれようとしている姿を見ているとだんだん可愛く見えてきます。
心を持たない人形が唯一の友達だったという事から、人を好きになるきっかけが相手の人間性ではなくてパーツというのが悲しい。
その結果ラストの惨劇を引き起こしてしまう訳ですね。

監督のラッキー・マッキーはこれがデビュー作。
斬新な感覚を持った映像作家である事はこの作品からもよく伝わります。
メイが恋心を抱く青年がホラー映画マニアで、自宅にはダリオ・アルジェント作品のポスターが貼ってあったりするあたりから監督のホラー愛も感じられます。
ラッキー・マッキーはこれ以降、様々なホラー映画を手掛けて行く事になります。
また大御所ホラー監督達に混ざって「マスターズ・オブ・ホラー」に参加したりと、ホラー映画監督の出世街道をひた走ります。
 

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プロフィール
HN:
みっちぃ
性別:
男性
趣味:
アメ車でドライブ
自己紹介:
アメ車が3度のメシより大好物!カマロ、ダットラ、タホ、キャバリエと乗り継いで、今はマスタングに乗っています♪アメ車好きになったのは、幼い頃、映画の中で走り回る姿に憧れて。乗ると映画の主人公気分が味わえるアメ車は、映画ファンの方に超おすすめのクルマですっ!
ちなみにこのサイトは、ホームページ「BOTIE MANIA~アメ車に乗ろう!!」の映画紹介コーナーをブログ化したものです。
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