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エド・ゲイン
(原題:ED GEIN : THE BUTCHER OF PLAINFIELD)
2007年アメリカ映画



エド・ゲインといえば、「悪魔のいけにえ」「サイコ」「羊たちの沈黙」に多大な影響を与えたとされる実在の殺人鬼。
この映画のタイトルを見れば、誰だって事実を基にしたノンフィクションであると思いますよね。
ところがどっこい、この作品は真実をかなりアレンジしています。
娯楽作品として多少の脚色は仕方ないと思いますが、そんな程度じゃないんですよ。
スラッシャームービーの定石にはめるために完全に事実を歪曲している。
近年の殺人鬼がお手本とした人を描いた作品でありながら、その作られた殺人鬼たちのマネをさせちゃってるのがダメ。
模倣犯たちに対する最大のアドバンテージは「現実である」ことなのに、わざわざフィクションにしてしまうなんてねぇ。
ライオンズゲートじゃ仕方ないか…。
 
実際のエド・ゲインは、うつろな目のちっさいおっちゃんだったのに、エド・ゲインを演じたのはジェイソンやレザーフェイスを演じたケイン・ホッダー。
体はデカイは、眼光鋭いはで、実物よりもはるかに凶悪。
でもどこにでもいる気の弱そうなちっさいおっちゃんが犯人だったというところが恐怖な訳ですよ。
絵に描いたようなサイコキラーな風貌じゃ逆に怖さ半減。分かってないなあ。
 
しかも現実を歪めて脚色したくせに、フィクションとしての出来もイマイチ。
まず視点がバラバラ。エド・ゲイン視点かと思えば、副保安官視点になったりと、感情移入するキャラクターが見つけられませんでした。
この副保安官の行動も呆れるほどアホ。パトカーにフィアンセ連れ込んで乳繰り合ったり、出張にフィアンセを連れ出してロングドライブしたり。
出張先で母親が行方不明になったと聞けば、警官とは思えない無謀運転で家路を急ぎ、しまいにはパトカーを横転させてフィアンセは車外放出。
助けを呼びに行くと重症の彼女を道端に残して立ち去って、殺人鬼に連れ去られる始末。
他にも被害者の身内を殺人現場まで連れ回す警官とかありえないことだらけ。
ただでさえ大根役者ばかりなのにアホな行動パターンのおかげでリアリティは皆無です。
 
一歩間違えばすごく面白くなる素材であったはずなのに、とっても残念な結果になってしまった一作です。
ただ「サランドラ」のマイケル・ベリーマンが拝めたのは嬉しかったけど(ちなみに瞬殺)。
 
もしもリアルなエド・ゲインが見たいならば、2000年に作られたスティーブ・レイルズバック主演の「エド・ゲイン」をお勧めします。
こちらは派手な演出はないもののふつーのおっさん風のエド・ゲインだし、より史実にも忠実で不気味です。

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レイジ34フン
(原題:CREEP)
イギリス/ドイツ合作2004年度作品

ベンチで寝過ごしてしまい、地下鉄の駅構内に閉じ込められてしまった女性が主人公。
営業を終了したはずの駅に列車が到着。脱出するためにこれに乗り込むが、しばらく走ると列車は線路上で停車。
すると何者かが襲いかかってくる。。。
 
地下鉄のトンネルや迷路のような下水を逃げ回る羽目になります。
よく地下鉄の駅でトンネルの先の暗闇を見ていると、何ともいえない不気味な空気を感じてゾッとしちゃいます。
だからこの作品はなかなか怖かったです。
多少の流血シーンもありますが、この作品の楽しみ方は、閉鎖空間で目に見えない何かに追われる恐怖です。
特に地下鉄に良く乗る人にお勧めですよ~。
 
※予告編が尽く他サイトへの埋込みが不可になってるので、下記YOUTUBEページでご覧ください。


ヒルズ・ラン・レッド-殺人の記録-
(原題:HILLS RUN RED)
2009年アメリカ映画



アメリカのダークキャッスル資本で撮られた、ブルガリア製スラッシャーホラー。
ブルガリアと言われてもいまいちピンときませんが、監督がアメリカ映画ような絵を意識して撮ったと語るように違和感無くスッと入り込めます。
 
余りの怖さに封印されてしまった伝説のホラー映画「ヒルズ・ラン・レッド」。
この行方不明のフィルムを探すというドキュメンタリー映画を撮影するテイラーと仲間のグループが、映画さながらの恐怖を味わう事になります。
以下ネタバレあり。。。
 
公開打ち切りになった「ヒルズ・ラン・レッド」は、それ以降、監督や出演者がフィルムと共に皆失踪してしまいます。
伝説のホラー映画「ヒルズ・ラン・レッド」に惹かれ、この映画の謎を追う若者の一行は、監督の娘、アレクサの存在を突き止める。
一行にその娘も加わり、「ヒルズ・ラン・レッド」が撮影された森へと向かいます。
その森では、映画に登場した殺人鬼、「ベイビーフェイス」に突然襲われ、命からがら森の一軒家に逃げ込む。
しかしその家にも殺人鬼が現れ、一行は縛られ家の中に捕らえられてしまう。
そこに現れたのは、失踪したはずの「ヒルズ・ラン・レッド」の監督、コンキャノン。
彼は幻の作品を若者に見せるが、編集前のそのフィルムには、カメラの前で出演者を殺す監督の姿が写っていた!
リアルさを追求する余り、本当の殺人を犯して作られたのが「ヒルズ・ラン・レッド」だった。
監督は森に隠れ住み、「ヒルズ・ラン・レッド」の続編制作の機会を窺っていたのだ。
味方かと思われたアレクサも実はグルで、続編の"出演者"を調達するための囮であった。
そしてコンキャノンと実の娘アレクサの間に出来た子供が、殺人鬼ベイビーフェイスの正体。
クレイジーな殺人鬼一家に捕らえられたテイラーたちは、無事に生還する事ができるのだろうか。。。
 
…てな感じです。
フィクションと思われたホラー映画が実はスナッフフィルムで…といった展開は良くある古典的パターンではあります。
でも今時のホラー映画らしくスピーディでパワフルなので、ハラハラドキドキを充分楽しめます。
スタッフとキャストを見ても自分が知ってるのはウィリアム・サドラーだけだったので見終わるまでちょっと不安でしたが、予想以上のクオリティでした。
特に個人的には、CGは最低限、特殊メイクで頑張っていたのがとっても好印象でした。
惜しむらくは、先のストーリーが予想できちゃった点と、それゆえに最後に明かされる真実にびっくりできなかった事でしょうか。
 
B級ホラーだとすればBの上、A級ならばAの下(それは褒めすぎか?)。
得体の知れないホラー映画で冒険するくらいなら「ヒルズ・ラン・レッド」は充分お勧めできますよ~。 



ドリームホーム
(原題:DREAM HOME)
香港2010年度作品



平均月収が10万円前後にも関わらず、不動産価格が高騰している2007年の香港が舞台。
昼は銀行、夜はブランドショップで働きながら高級マンション購入資金を貯める為に真面目に働くOLが主人公。
ある夜、憧れの高級マンションに忍び込み、次々と住人を殺し始める。。。
 
破壊的なパワーを持った香港製ホラー。 シリアルキラーものです。
特殊メイクはハリウッドで「エイリアン3」や「ミミック」などにも参加したアンドリュー・ リンという人と、ゴア系作品の多いタイで活躍している特殊メイク工房が担当しています。
この作品でもゴアシーンには相当力が入っていて、眼球は飛び出し、 内蔵はダラダラこぼれ落ちといった見せ場が多数あります。
クオリティはやはりハリウッドでも通用するレベルで、昔のキョンシーのようなチープな物を描いて いるとびっくりすると思います。
 
でもただグロいだけじゃなくて殺し方もかなり陰湿。
頭にビニールを被せて掃除機で空気を吸引、真空状態にして殺害(通販番組で布団をコンパクトに収納する あれです)。
首にタイラップ(結束バンド)をキュッと巻いて窒息とか。
あとブラックなユーモアも満載で、飛び出して床に転がってる主婦の眼球を帰宅した夫が気付かずに踏んづけ、まるでウンコを踏んだかのように迷惑そうな顔をするシーンとか、内蔵を引きずったままズルズル動き回る被害者とか、口に板を突き刺されてカタカタ痙攣するシーンとか(言葉じゃ面白さを表現できないので見てください…)、シリアスなグロシーンと笑いの融合が面白い。
 
地上げ、中国人の不動産投資などにより、香港の一般的水準の生活者ではマイホームを買うことができないと言われるほどに高騰した香港の住宅事情がベースに あります。
グロさ満点の殺人シーンの合間合間に主人公の生い立ちを挟み込む事で、ナゼそこまで高級マンションに執着するのか、そしてナゼ無関係の住人たち を殺しているのかが明らかになってきます。
そういう問題を絡めているあたり、監督のパン・ホーチョンは上手いです。
そして最後のオチも静かながら何とも言 えない脱力感を感じさせてくれます。
 


クライモリ デッドエンド
(原題:WRONG TURN 2:DEAD END)
アメリカ合作2007年度作品



前作は森の中で事故を起こしてしまい、森の中を歩いて彷徨ううちに食人鬼一家に襲われるというお話でした。
スタン・ウィンストンが腕によりをかけたゴア描写が売りでしたね。
2作目となる今作では、森の中でリアリティ番組を撮影するスタッフと出演者たちが食料にされていきます。
今回は監督も代わり、スタン・ ウィンストンも絡んでおらず、特殊メイクアーティストを見る限り自分の知ってる大物は見つけられませんでした。
ところが!前作を上回るゴアシーン&痛々しいシーンがてんこ盛り。
 
まず冒頭の1人目の被害者の殺され方で大爆笑!
薪割りのように縦に真っ二つです!
他のメンバーもとにかく散々な殺され方をしていきます。
 
殺人鬼ファミリー は森の中にあった製紙工場が垂れ流した廃液が原因で全員が醜い姿をしています。
そして彼らは人間を食べるために狩るのです。
今回はそんなファミリーに異常な性的シーンや出産シーンなどがあるのがまたキツイ。
生理的な嫌悪感がかなりあります。
 
人喰い奇形一家という点では「ヒルズ・ハブ・アイズ」と被ります。
女の子をテーブルに付かせて強制的に食事させるシーンはやはり前作同様「悪魔のいけにえ」と被ります。
でもそんな細かいことは気合のグログロ描写で帳消し。
見せ方にもちょっと凝ってて面白いです。
 
ゴアムービーファンは外せないシリーズですね。



クライモリ
(原題:WRONG TURN)
アメリカ/ドイツ合作2003年度作品



事故によって車を失い、山深い森の中を歩いて抜けることになったグループを3人の殺人鬼が襲う。
この殺人鬼たちは奇形で生まれた兄弟で見た目も不気味です。
こいつらは捕まえた人間を食料にしている食人一家なのです。
だから人体解剖みたいなゴアシーンもあるし、最近のホラーらしいツボは抑えてます。
 
そんなゴアゴア特殊メイクを手掛けたのは、今は亡きスタン・ウィンストン!
アカデミー賞受賞暦もあり、数々の大作を手掛けてきた大御所が、自ら製作を希望した作品がこの「クライモリ」だそうです。
「エイリアン2」とか「ジュラシックパーク」なんかもやってきた大物でも、こういうB級スプラッターが恋しくなるものなんでしょうか。
 
グログロゴアゴアな特殊メイクは凄いのですが、物語の流れが基本的に「悪魔のいけにえ」のパクリなんです。
チェーンソーも出ないし、舞台も荒野じゃないけど、見終わった後に「これ、悪魔のいけにえだったね。。。」って気付いちゃう。
イマイチ個性に乏しく、印象が薄いのが残念ではありますが、見てる最中はそれなりに楽しめました。
みんなでキャーキャー言って見るにはちょうどいい軽さですね。
 

ヒルズ・ハブ・アイズ2
(原題:THE HILLS HAVE EYES 2)
2007年アメリカ映画



監督が1作目のアレクサンドル・アジャからマーティン・ワイズに変わりました。初めて聞く監督です。
でも今回は脚本にオリジナル版「HILLS HAVE EYES(サランドラ)」の監督、ウェス・クレイブンが参加。
さらに息子のジョナサン・クレイブンと共同脚本という事で気合が入っています!
特殊メイクは 最近のゴア系には欠かせないグレゴリー・ニコテロたちのKNBエフェクツが担当。
期待が高まります!
 
前作で原爆実験場跡地に食人鬼一家が生息しているという事実が発覚し、政府はこの一帯に監視カメラを設置。
食人鬼一家を追い詰める計画を立てる。
しかしカメラを設置している作業者達がファミリーに襲われ全滅。
そしてそれを助けに来た海兵隊たちが今回の主人公。
 
海兵隊という事はド派手なドンパチで爽快に食人鬼を倒していくのかと思いきや、銃は盗まれるは、弾はすぐに無くなるはで、海兵隊である必要はなし。
しかもハートマン軍曹のような鬼教官の下で鍛え抜かれたはずなのに、結構抜けてることばかりやらかします。
しかも食人鬼たちも強いのか弱いのかよく分からず、怖さもイマイチ。
またせっかくニコテロさんたちを招いたのに、見せ場である殺戮シーンは崖から落ちて死ぬという地味なパターンが続いて犠牲者の無駄遣い。
人体解体部屋は体のパーツが色々転がっていましたが、部屋が暗すぎて何が映っているのかさっぱり分からず。
 
まあ我慢できないほどつまらなくはないんですが、ストーリー中途半端、アクション中途半端、怖さ中途半端、グロさ中途半端。
1作目は問題となったオープニングシーンとか、核実験跡のクレーターが並んでいる風景とか、核実験場のダミーの街での食人一家の暮らしぶりとか、
細かい工夫が積み重なっていました。
でも今回はそういう深さや広がりが弱く、えらく小ぢんまりした印象です。
前作を見ている人は流れで見ればそれなりには楽しめるかなあ、という感じ。
 
ちなみに、オリジナル版「HILLS HAVE EYES 2(サランドラ2)」とは話が全く異なります(オリジナル2作目はモトクロスのレースに向かうグループが餌食でした。)。
ウェス・クレイブンはオリジナル版「HILLS HAVE EYES」の時も、1作目は中の下くらいの評価をもらってたのに、2作目は烙印を押されてました。
今回もしゃしゃり出てきて自ら同じ轍を踏んだ格好ですね。
ちなみにリメイク版1作目は原案ウェス・クレイブンで脚本はアレクサンドル・アジャ達が書いていました。
アレクサンドル・アジャが上手いという事もありましたが、今回も若手に任せておけば良かったのにねえ。
 



ヒルズ・ハブ・アイズ
(原題:THE HILLS HAVE EYES)
2006年アメリカ映画


1977年のウェス・クレイブン監督作品「サランドラ(原題:THE HILLS HAVE EYES)」のリメイク。
フランス映画「ハイテンション」で評価されたアレクサンドル・アジャ監督が撮っています。
オリジナル版「サランドラ」の雰囲気を壊さず、ほぼ忠実にリメイクしていますが、ナゼか「サランドラ」よりもはるかに面白くて恐い。
「ハイテンション」も怖かったし、アレクサンドル・アジャ監督は今後のホラー映画界で注目の人物かもしれません。
 
キャンピングカーで旅をする一家。
人気のない砂漠のど真ん中で事故を起こして立ち往生してしまう。
携帯電話は圏外、他のクルマは通らず完全に孤立。
そんな一家を丘の上から見つめる殺人鬼がいた…。
 
その砂漠は核実験場の跡地で、度重なる実験の放射能で奇形化した一家が犯人。
しかも人を食う狂人ファミリー。最悪です。
仲良し一家を次々と血祭りに上げていくのですが、家族の見てる前でパパが焼き殺され、娘の前でママが射殺され、長女は旦那の前で殺され…
かなり不愉快なシーンの連続です。
 
でも生き残った長女の旦那が、連れ去られた赤ん坊を取り返すため、最後は単身殺人鬼のアジトへ突撃して大暴れしてくれます。
このアジトへ乗り込むシーンがオリジナル版には無かった部分。
このシーンを付け加えたおかげで面白さと怖さが格段にUPしています。
また核実験場跡である事を示す無数のクレーターや、核実験のために作られたダミーの町なども不気味さをプラスしています。
オリジナル版では核実験の事実をビジュアルとして見せる場面はありませんでしたから。
あと、殺人鬼一家の末娘の姿も、オリジナルはターニー・ウェルチ(古い?)みたいな原始人ルックのきれいなお姉ちゃんでした。
でもこのリメイク版ではもっと小さな子供で、放射能による障害を持っています。
このように全体の流れは旧作から大きく変えず、ディティールを作り込んだリメイク手法です。
これなら旧作のファンも納得すると思います。
 
特殊メイクはトム・サビーニの弟子、グレッグ・ニコテロ。
「死霊のえじき」で生首に電極繋がれてたあの兵隊役の人です。
この作品ではゴアシーンが見世物のようになる一歩手前くらいで抑えてるのが好印象。
グチョグチョを見せ過ぎるとそっちに意識が向いちゃいますからね。
とはいえ血糊の量はかなりのものです。
奇形一家の顔は気合が入ってます。マイケル・ベリーマンをモデルにしたと思われる殺人鬼のデザインには思わず(笑)
そして末娘の悲しそうな表情に(泣)
 
オリジナルの「サランドラ」はちょっと物足りなかったけど、その設定を活かしたまま甦らせてるのがとにかく見事なんですよね~。
ロブ・ゾンビの「ハロウィン」と並び、最近のホラーの中ではお勧めできる1本です。



悪魔のサンタクロース 惨殺の斧
(SILENT NIGHT, DEADLY NIGHT)
アメリカ1984年度作品




クリスマス、祖父が入院する精神病院へお見舞いへ行く少年と両親。
両親が目を離した隙に、祖父は少年に「サンタクロースは良い子にはプレゼントを、悪い子には罰を与える」と余計な事を吹き込む。
その病院からの帰り道、サンタクロース姿の強盗が両親に襲いかかり、その殺人現場を目撃してしまう。
数年後、厳格な孤児院で成長した少年はおもちゃ屋で働き始める。
しかしクリスマスの日、サンタクロースの衣装を纏わされた青年は、恋心を寄せる女性が店の倉庫で上司と抱き合う姿を見てしまい、衝動的に二人を殺してしまう。
そして斧を手に、罰を与える者を探して街中を彷徨い始める。。。
 
サンタクロースが人を殺すという衝撃的なお話のため、公開当時物議を醸した作品です。
無名のスタッフ、キャストで作られた作品ですが、当時のスラッシャー映画としてはそれなりのレベルに仕上がっています。
 
幼心に吹き込まれた老人の戯言と、孤児院の厳格なシスターの教え、そしてサンタクロースに親を殺されたという経験が青年を凶行へと駆り立ててしまいます。
不幸な出来事と厳しい暮らしが青年を変えてしまったという点が悲劇的に感じられます。
 
ちなみに昨年のクリスマス、我が家では「悪魔のサンタクロース」と「素晴らしき哉、人生!」を二本立てで鑑賞しました。なんてステキなクリスマス♪
 



ミッドナイト・ミート・トレイン
(原題:THE MIDNIGHT MEAT TRAIN)
アメリカ2008年度作品




「あずみ」「スカイハイ」「ゴジラ FINAL WARS」などを撮った北村龍平監督のハリウッドデビュー作。
原作は何と「ヘルレイザー」の原作、脚本、監督などで知られるホラー作家クライブ・バーカーの同名小説。
 
深夜、乗客が少ない地下鉄車内。
突然車両は廃線となった線路へと猛スピードで入っていく。
いつもと違う景色に戸惑う乗客に、スーツ姿で巨大な屠殺用ハンマーを持った殺人鬼マホガニーが襲い掛かる。
マホガニーは乗り合わせた乗客たちの遺体をつり革から逆さ吊りにし、列車はさらにトンネルの奥深くへと入ってく。。。
売れないカメラマンのレオンは、ニューヨークの暗部を取り続けているカメラマン。
婚約者マヤとの安定した生活を夢見ながら、危険で刺激的な写真を求めて町を彷徨う。
ある夜、町で見かけたマホガニーに興味を持ったレオンは、彼の尾行を開始する。
マホガニーの勤務先である精肉工場へ侵入し、物陰からマホガニーを覗き込んだそのとき、運悪く目が合ってしまう。
追いかけてくるマホガニーを振り払い、精肉工場からどうにか脱出に成功するレオン。
しかしそれでも彼は懲りずに尾行を続け、ついに深夜のの地下鉄内で人体を解体するマホガニーの姿を目の当たりにする。
その状況をカメラに収める事に成功するものの、気付いたマホガニーに襲われて気を失ってしまう。
目覚めるとマホガニーとカメラが消え失せ、代わりにレオンの胸には奇妙な印が刻まれていた。
その出来事を家に帰ってマヤに話すレオン。
その夜、レオンを心配したマヤは事実を確認するため、カメラを取り戻そうと友人と共にマホガニーの部屋へと侵入する。
しかし帰宅したマホガニーと鉢合わせしてしまい、カメラを取り返せない代わりに彼が狙う地下鉄の時刻表を奪って逃げ出した。
マホガニーの部屋からどうにか逃げ切れたマヤだったが、捕らわれた友人を救い出すため、単身深夜の地下鉄へと乗り込む。
その頃レオンは、自分の写真が飾られた写真展会場に居た。
自ら撮影したマホガニーの写真を眺めていたレオンは、何かを決意したかのように彼も地下鉄の駅へと向かった。
レオンとマヤが乗り込んだ地下鉄内は、被害者の遺体が何体も逆さ吊りにされた地獄絵図。
その中でマホガニーと戦う事になります。
 
以下、ネタバレいきます!
 
マホガニーを車外へと放り出し、抱き合う二人を乗せた列車はスピードを落とし停車します。
到着したのは廃墟となった駅。そこは人骨が無数に転がり、まるで地獄のよう。
すると車外から恐ろしい姿の生物が何体も乗り込んできて、吊るされた遺体を食い始めます。
彼らは人類よりも遥か以前から生き続ける特別な存在だったのです。
 
そこへ傷だらけの姿で現れたマホガニー。
ここで最期の決闘が繰り広げられます。
 
病気を患っているマホガニーは自分の後継者を探していた訳ですね。それがレオン。
だから気絶したレオンを殺さず、胸に自分と同じ刻印を刻み込んだ。
レオンはその運命を受け入れ、人類の祖先?地底人?地獄から這い出てきた悪魔?のため、
マホガニーに代わって人肉調達係として深夜の地下鉄に乗り込みます。。。
 
ダークなラストはいかにもクライブ・バーカー!といった世界観を表現しています。
クライブ・バーカーの小説が持つ独特の世界観というのはなかなか映像で表現するのが難しいらしく、
映像化作品で傑作!と言えるのは「ヘルレイザー」を含め数作品のみだと考えます。。
当のクライブ・バーカーも自ら脚本・監督を担当した「ミディアン」で自分の脳内を映像化しきれていなかった気がします。
そんな中でこの「ミッドナイト・ミート・トレイン」は特有のテンポの良さまでも表現していて見事でした。
 
脚本ではいくつか引っ掛かる点もあります。
一番違和感を感じたのは、レオンはマホガニーの勤務先、マヤは部屋へと不法侵入するところ。
これはちょっとやり過ぎに見えました。
映像化するにあたってはそこまで危険を冒さなければならない理由付けが欲しかったです。
おまけに二人とものん気に構えてキョロキョロしてるからちょっとイライラしたり。
ただね、その侵入シーンは緊張感がMAX!
もう見ているのが苦痛なくらいにハラハラドキドキです!
こんなに怖いシーンは久しぶりに見た気がします。
そんな効果的なシーンだからこそ、観客の納得させるだけの説得力に乏しいのが残念です。
 
あと部分的に導入されたCGのクオリティが低い!
テッド・ライミ(サム・ライミの弟)が脳天をハンマーで殴られて眼球飛び出し&血が噴き出すシーン。
ご丁寧にスローモーションで見せるんですが、思いっきり「絵」なんですよねえ。
血の飛び散り方なんてスープに浮かぶとき卵みたいだったし。
あと血の質感も赤い水銀みたいなメタリックな感じで、血液っぽさが希薄でした。
地下鉄の走行シーンも実車とCGの場面がはっきり分かるくらい「絵」でした。
 
でも特殊メイクのクオリティは上々でした。
食べやすいように遺体の歯を抜いて、爪を剥がして…なんていう場面は強烈でした。
下手なCGを使うくらいならもっと特殊メイクを多用して生々しさを強調すれば良かったのに。
 
ただ全体的に見て最近のホラー映画のレベルとしては良くできていると思います。
日本人監督が海外でこれだけ見事な作品を撮ったという事が自分は誇らしく思います。
北村監督ならではのグルグル回るカメラワークも健在で、ハリウッドでも自分のスタイルに拘っているのがよく分かります。
DVDスルーか?劇場公開か?で相当ゴタゴタした結果、物凄く小規模で劇場公開されたようです。
よく出来てるのにもったいないなあ。
 
実はわたくし、「ヘルレイザー」公開以降、暫くクライブ・バーカーの「血の本」シリーズにはまっていました。
確か5~6冊出ていたと思いますが、短編集で読みやすいくせに、物凄く物語に厚みがあって満足感が高いシリーズでした。
その「血の本」の第1集に収められていたのが「ミッドナイト・ミート・トレイン」でした。
終電間際の地下鉄の中で読んだら怖すぎて発狂しちゃうかもしれません。
 
ちなみにレオン役は「ハングオーバー」「特攻野郎Aチーム」などですっかり売れっ子のブラッドリー・クーパー。
殺人鬼マホガニーは「60セカンズ」のスフィンクス役だったヴィニー・ジョーンズ。
またチョイ役で何故か出演しているブルック・シールズにびっくり。
「サハラ」の頃と比べたらすっかりおばちゃんだけど、相変わらずお美しかったです。



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アメ車でドライブ
自己紹介:
アメ車が3度のメシより大好物!カマロ、ダットラ、タホ、キャバリエと乗り継いで、今はマスタングに乗っています♪アメ車好きになったのは、幼い頃、映画の中で走り回る姿に憧れて。乗ると映画の主人公気分が味わえるアメ車は、映画ファンの方に超おすすめのクルマですっ!
ちなみにこのサイトは、ホームページ「BOTIE MANIA~アメ車に乗ろう!!」の映画紹介コーナーをブログ化したものです。
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