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クエンティン・タランティーノの「デス・プルーフ」と、ロバート・ロドリゲスの「プラネット・テラー」。
日本でも劇場公開されたのでそれぞれを単体で見た人は大勢居ると思います。
ところが、この2本は本来1本の作品でした。。。というのは既にご存知の方も多いかもしれませんが、一応流れとして書かせてください。

アメリカには、グラインドハウスムービーと呼ばれる映画のジャンルがあります。
人の好奇心を刺激するエロ、グロ、バイオレンス、アクションなどを売り物にした、低俗で低予算な点が共通項。
こういった作品は場末の映画館で数本立てで公開されていました。
映画オタクのタランティーノとロドリゲスが、そんなグラインドハウスムービーを再現したのが「グラインドハウス」という作品なのです。




「デス・プルーフ」と「プラネット・テラー」に、当時の雰囲気を再現した偽物の予告編を組み合わせ、全編で3時間を越える超大作(?)が本来の姿。
ところが、この上映時間の長さや製作者の悪ノリに着いて来れない観客が出たため、本国の興行成績は振るわなかったようです。
そこで、「グラインドハウス」を「デス・プルーフ」と「プラネット・テラー」に分割して新たなシーンを追加。
それぞれ90分程度の上映時間だったものをそれなりの時間に延長した単体公開仕様も制作されました。
日本で当初公開&DVD発売されたのはこのバージョンだったんです。

公開時、まずは「デス・プルーフ」を見に行きました。
大好きなカーアクション映画が題材になっているという事で期待していたのですが、カート・ラッセルがシボレー・ノバに乗って本性を表すまでがとに かく長く感じられました。
カーアクションシーンや映画ネタのシーンなどは心底楽しめたのに、そこに至るまでがね。。。
タランティーノの作品といえばダラダラと続く会話や痴話ゲンカも面白さなんですが、「デス・プルーフ」に関しては作品内容とリズム感が乖離してい るような印象で。(それがいい!というデス・プルーフファンが大勢居る事も知っててあえて書きました。。。)
これにすっかり懲りて「プラネット・テラー」は見に行くのをやめちゃったし。後で単体DVDで見て激しく後悔したけど。

そうなると気になるのが本来の姿の「デス・プルーフ」が入った「グラインドハウス」です。
日本でも公開されたものの小規模上映だったので劇場では見れませんでした。
DVDは1万円のコンプリートボックスで発売されましたが、大金払って買ってもしもこっちもつまらなかったら…と考えると手が出せず、ずーっとモヤモヤしてました。
ところが!2011年にBlu-Rayで「グラインド・ハウス U.S.A.バージョンプラス」として発売されたんです!
こちらは定価6000円。もう我慢できずに飛びつきました。

ここからが「グラインドハウス」のレビューです。
前置き長っ!!

やはりこの作品の評価は、単体で見るよりも全部繋げて見る事でしか正当な評価はできないと思いました。
単体では普通の映画作品として評価してしまいます。
ところが「グラインドハウス」として通しで見ると、全編から滲み出すアングラなヤバイ雰囲気がガンガン感じられます!
そう、理屈で評価できる映画じゃなくて、雰囲気や空気を楽しむ作品なんだという事がよく理解できたんです。
そしてユーモアも一層強烈に感じられ、終始ニヤニヤしっぱなしでした。

まずは「プラネット・テラー」から。
こちらは軍の施設から漏れ出したガスのせいで、周辺の街がゾンビだらけになってしまう。。。というB級ホラーの王道パターン。
そのゾンビと戦うのが、必要以上に格好よく演出されたヒーローと、必要以上に色っぽいダンサーのおねえちゃん。
こういうやりすぎ感のある所がいかにもグラインドハウスな感じで笑えます。
ロドリゲス監督は惜しげもなく傷やノイズを映像に入れており、かなりグラインドハウスな雰囲気があります。
「プラネット・テラー」は今をときめく特殊メイクアーティスト、グレッグ・ニコテロが腕を腕をふるったグロシーンが満載です。
でも残念ながらそういう見所のシーンに限ってノイズが強めに入れられていて、規制対策なのかはっきり見えないのがちょっと残念でした。
そうそう、「フロム・ダスク・ティル・ドーン」に続き、グレッグ・ニコテロの師匠であるトム・サヴィーニも出演しています。
彼が大勢の俳優にしてきたように、ゾンビに体を引き裂かれて最後を迎えるあたりはファンにとっては堪らない所ですね。
さて、単体版「プラネット・テラー」との違いですが、ゾンビにダイナーが囲まれた所でブッツリと映像が途切れ、映画館の支配人からの「フィルムを紛失してしまい申し訳ありません」というメッセージが表示されます。
その文字が消えて再度映像が流れた時にはダイナーの中は大変な修羅場となっています。
結構重要なところをごっそり削っちゃうなんてロドリゲス監督もやりますね。
でもきっとロドリゲスも、当時の場末の映画館でこんな悔しい思いをしながら見てたんでしょうね。
ブーイングと共にポップコーンをスクリーンに投げつけたりしながら…
「プラネット・テラー」は単体作品としてもクオリティが高いのでどっちの仕様も好きです。
できることならノイズ無しのゴアシーンも見てみたいなあ、と思うのはグラインドハウスムービーファン失格でしょうか?

さて問題の「デス・プルーフ」ですが、「あれ?こんなにテンポ良かったっけ?」と思えるくらいとても楽しめました。
お話を簡単に説明すると、アメ車に乗った殺人鬼が、女の子グループの車を追い掛け回すというもの。
でも間違えてカーアクション映画マニアの女スタントマン達にちょっかいを出してしまった事から、激しいバトルに発展していきます。
カート・ラッセル演じる殺人鬼の愛車はつや消し黒のシボレー・ノバとダッジ・チャージャー。
対するスタントマンギャルたちは1970年型の白いダッジ・チャレンジャー。
どっちもどっかの映画で見たことのあるような車です。
全編を通してタランティーノの映画愛を強烈に感じるのですが、古のグラインドハウスムービーっぽさは希薄。
「プラネット・テラー」に比べるとノイズが控えめで、グラインドハウスを再現するぜ!っていう割り切りが弱いかも。
結果、いつものタランティーノ映画になっちゃってます。
でも最後の流れを断ち切るような幕引きの仕方はモロにグラインドハウスっぽくて何度見ても爆笑しますね。
単体バージョンからはバタフライちゃんの色っぽいクネクネダンスが削除されてるんですが、そのぶった切り方は「プラネット・テラー」同様。
「見せてあげるわよ~」とカート・ラッセルを誘った所で「フィルムを紛失してしまい申し訳ありません」と表示されます。
次の場面ではダンスが終わって満足気なカート・ラッセルが映し出されるんです。
延々「そんなダンスはしない」と勿体ぶった挙句、寸止めで見せてくれないなんて意地悪さが最高です。
タランティーノらしいユーモアですね。
あのダンスシーンも嫌いじゃないんですけど、あれが無くなったおかげで映画が分かりやすくなったと感じました。
自分は圧倒的に「グラインドハウス」に組み込まれた「デス・プルーフ」の方が好みです。

メインディッシュの感想はこんな感じですね。
でも見所はそれだけじゃありません。
おまけ程度にしか考えていなかったフェイク予告編がすげー面白くてびっくり!
「Don't」の題名を何度も何度も繰り返すあたり、むちゃくちゃ懐かしい感じでした!!
ジョージ・A・ロメロの「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」予告編なんかもしつこいくらいにタイトルをリピートしてたもんね。
あとイーライ・ロスの「感謝祭」もアングラ感満載で、ハーシェル・ゴードン・ルイス作品みたいでした。
「マチェーテ」に続いて、この辺もみんな作ってくれないかな。とても見てみたいです。

という具合で、今更ながら「グラインドハウス」にハマりまくっております。
これはタラちゃんとロドちゃんがB級映画ファンへ向けて放った一大イベントですね。
レイトショーやオールナイトの二本立てを楽しんだ人や、テレビ東京の深夜枠の映画が好きだった人は確実に楽しめます!
いや~、やっぱり映画って楽しいなあ。…と改めて感じさせてくれた作品でした。
単体公開版しか見てない方も是非見て欲しいです。
どっちが良い、悪いではなくて、感じ方が全く違うので見比べると面白いですから。

Blu-ray


DVDコンプリートボックス


単体公開版
  

予告編



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アメ車が3度のメシより大好物!カマロ、ダットラ、タホ、キャバリエと乗り継いで、今はマスタングに乗っています♪アメ車好きになったのは、幼い頃、映画の中で走り回る姿に憧れて。乗ると映画の主人公気分が味わえるアメ車は、映画ファンの方に超おすすめのクルマですっ!
ちなみにこのサイトは、ホームページ「BOTIE MANIA~アメ車に乗ろう!!」の映画紹介コーナーをブログ化したものです。
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