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硫黄島・・・教科書やドキュメンタリー番組などでも取り上げられ、激戦の舞台となったことは多くの日本人が知っているはずですね。その激戦の地へ配属された兵士たちを描いた、クリント・イーストウッド監督作のアメリカ映画です。

アメリカへの留学を経験し、当時すでにグローバルな考え方を持っていたエリート、栗林中将。ロサンゼルスオリンピックで金メダルを取った経験もあるバロン西。そして身重の妻や家族を残してきたごく普通の若者たち。彼らが「5日で終わる」と言われた硫黄島の戦いを、1ヶ月以上に渡って耐え抜く姿が描かれています。

渡辺謙さん演じる司令官の栗林中将が非常に魅力的です。グローバルな考え方が当時の日本に合わず、大国アメリカとの戦争にも否定的であったために、僻地へと赴任させられたエリートだったようです。優れた能力を持ち、革新的な考えの人だったのに、当時の日本軍では「出る杭」だったのでしょう。

2万人の兵士で15万人の米軍と戦うことを余儀なくされる日本軍は、栗林中将の提案から、島中に張り巡らされた巨大な地下壕を作り、その中に潜んで米軍を迎え撃つこととなります。物資や食料に乏しく、さらには地下壕作りで体力を奪われた日本軍の待つ硫黄島へ向け、米軍の戦艦が大挙して向かう光景にはゾッとしました。

また、当時の“捕虜になるなら自決しろ”という考え方の中で、栗林中将は自決を禁じ、最後まで戦い抜くことを兵士たちに求めます。二宮くん演じる主人公所属の部隊が追い詰められた時、下士官たちは栗林中将の言いつけを無視し部下と共に自決してしまいます。この場面が非常にショッキングでした。苦楽を共にしてきた戦友たちが、目の前で手榴弾を抱えて次々に死んでいく・・・。耐えられません。。。

敵国であったアメリカで制作されると聞いたとき、どうしても拭えない不安がありましたが、完成した作品を見るとそれは素晴らしい物になっていました。敵国を敵として描くのではなく、戦争そのものを人類の敵として描いているんです。そこには上辺だけのお涙頂戴的なお話はありません。戦争によって平凡な生活や個人の可能性を奪われた悲しみが、魂を揺さぶるように心の奥底から溢れ出てきます(魂を揺さぶられる感覚は「ミスティック・リバー」や「ミリオンダラー・ベイビー」でも味わった“あの”感覚です)。こんな文章でこの映画の全てを語る事はできませんが・・・こういった犠牲の上に今の平和な日本がある。彼らが必死で守った日本の平和を、私たちはしっかりと守っていかなければならないと痛感します。硫黄島戦の当事者である日本、アメリカ両国民に限らず、全世界の人に見てもらいたいと思います。

ちなみに、昔からクリント・イーストウッドの大ファンですが、44マグナムをぶっ放していたあの人と同一人物の作品とは思えない繊細な作品です・・・。


 


アカデミー賞は作品賞、監督賞共に逃しましたが、個人的には「ディパーテッド」よりも素晴らしい作品だと考えています。(ただ、映画ファンとしてマーティン・スコセッシ監督の受賞は非常に嬉しかったですけど♪)
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アメ車が3度のメシより大好物!カマロ、ダットラ、タホ、キャバリエと乗り継いで、今はマスタングに乗っています♪アメ車好きになったのは、幼い頃、映画の中で走り回る姿に憧れて。乗ると映画の主人公気分が味わえるアメ車は、映画ファンの方に超おすすめのクルマですっ!
ちなみにこのサイトは、ホームページ「BOTIE MANIA~アメ車に乗ろう!!」の映画紹介コーナーをブログ化したものです。
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